意識障害患者への「さする」刺激の研究は、コロナ感染症の影響で対象者の家族から同意を得ることができず実施できなかった。以下は健常者の結果である。安静6分間、背部刺激3分間とし、呼吸数、脳波を測定した。その結果呼吸数は「さする」刺激が「タッチ」刺激よりも有意に増加した(P=0.039)。脳波の「さする」刺激は「タッチ」刺激よりもαが有意に低下した(P=0.011)。VASは両刺激共に刺激前より有意に快方向へ増加した(P=0.007,P=0.0003)。オキシトシンは「さする」刺激が有意に高かった。この事から3分間背部をさすると気持ち良い感覚となり、苦痛軽減方法の一つとしての有用性が示唆された。
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