研究課題/領域番号 |
17K12236
|
研究機関 | 神戸女子大学 |
研究代表者 |
藤原 由子 神戸女子大学, 看護学部, 准教授 (70549138)
|
研究分担者 |
野並 葉子 神戸女子大学, 看護学部, 教授 (20254469)
元木 絵美 神戸女子大学, 看護学部, 講師 (70382265)
奥井 早月 神戸女子大学, 看護学部, 助教 (00783002)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | アトピー性皮膚炎 / 身体性 / 慢性病 / 解釈的現象学 |
研究実績の概要 |
2019年度は研究を行うフィールドとなる施設でデータ収集が開始できるよう、研究の依頼を行い、承認を受けた後データ収集を開始した。 データ収集を開始するにあたり、対象者が多く通院・入院している近畿圏のアレルギー専門病院の看護部長、皮膚科部長へ計画書を用いて研究の依頼を行い、了承を得た。また、施設における倫理委員会に研究計画書、倫理審査申請書を提出した。そのうえで本研究で扱う内容に対して臨床側から意見があった「身体性の変化」を理解することが難しいという課題を受け、研究計画書の修正を行い、審査後に研究実施の承認を得た。研究計画書および対象者や施設への依頼書・同意書に関しては、既に承認を得ている所属する大学の研究倫理審査の内容を生かした状態で施設の方針に合わせて形式を変更した。また、データ収集を開始するにあたり、対象者の紹介を受けるために病棟の看護管理者2名に研究の協力を依頼し、対象者の適格条件や除外条件、対象者に行う倫理的な配慮について説明を行い、研究実施への協力を求めた。 既に得ているインタビューデータをもとにテクストやデータの整理の仕方、データ解釈の分析の方針などを調整し、次年度に向けたデータ収集再開への準備を整えた。また重症アトピー性皮膚炎患者の体験をより明確にするため、難治性リウマチ患者の体験と比較し、皮膚の病いの体験を関節の変形や痛みをを主とする病いの体験と比較検討しながら、研究者間でディスカッションを繰り返し、アトピー性皮膚炎患者の身体性の特徴を見出していった。昨年度までに整理したアトピー性皮膚炎患者が治癒するときの「身体性の変化」を支える方法を開発する前段階としてアトピー性皮膚炎患者の身体性の特徴に関して記述した論文に関しては、学術誌への投稿準備を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
フィールドとしてのデータ収集を行う施設である病院に説明に行く時間の確保が難しく、2020年1月にデータ収集を開始する手続きを行った。データ収集実施施設における研究倫理審査を経て、3月からデータ収集を開始したが、新型コロナウィルス感染拡大のため、2019年3月26日以降はデータ収集を見合わせている状況である。
|
今後の研究の推進方策 |
(推進方策) 研究計画は当初2019年度までであったが、2020年度までに補助事業期間の延長を行った。今後はデータ収集施設である病院の状況が落ち着くのを待ちつつ、データ収集を再開し、最終年度として10人のアトピー性皮膚炎患者に3~4回のインタビューを行い、分析結果を出していく予定である。 データ収集を開始しやすいよう対象者を入院患者からリクルートし、その後、対象者の外来日時に合わせてフィールドへ出向くことで、データ収集が実現可能となる形にしていくことを予定している。
|
次年度使用額が生じた理由 |
(理由) フィールドとしてのデータ収集を行う施設である病院に説明やデータ収集に行く時間の確保が難しく、補助事業期間を延長した。データ収集が予定より遅れ、旅費および人件費を次年度に持ち越すことになった。 (使用計画) 次年度はデータ収集を計画通り10例行うことを見込み、資料整理のための人件費、データ収集および研究協力者との会議の際の交通費、音声を文章に起こすための委託費を使用する計画としている。
|