研究課題/領域番号 |
17K12238
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研究機関 | 福岡看護大学 |
研究代表者 |
大城 知子 福岡看護大学, 看護学部, 准教授 (50461538)
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研究分担者 |
藤田 昌樹 福岡大学, 医学部, 教授 (50325461)
馬場 みちえ 福岡大学, 医学部, 准教授 (60320248)
藤原 悠香 福岡大学, 医学部, 助教 (70755230)
中山 和弘 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (50222170)
CLINGWALL DION 県立広島大学, 公私立大学の部局等(庄原キャンパス), 准教授 (80737669)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 慢性閉塞性肺疾患 / COPD / 酸素飽和度 / 呼吸法 |
研究実績の概要 |
COPD患者自身の自己管理への認識が非常に低いことがわかり始めた。しかし、COPD患者自身の認識がなぜ低いかは、まだ明らかになっていない。それが明らかにできれば、COPDを持つ患者の看護には大きな貢献ができると考えた。 そこで、呼吸困難という症状をモニタリングすることで、「息苦しさ」という主観的な症状が可視化することができ、患者自身あるいは、周囲の人に理解してもらうきっかけとなる。自己管理の必要性について患者も理解できるようになりCOPDヘルスリテラシー向上に繋げることが可能となるのではないかと考えた。 そこで、昨年度、倫理審査を終え開始した「24時間パルスオキシメーター装着による酸素飽和度のモニタリングと労作による酸素低下に対する患者の認識」の研究について、対象者を増やし、今年度も研究を継続した。 この研究は、COPDを患いながら生活をしている対象者が、日常生活の中でどれくらい呼吸方法を実践しているか、労作時の呼吸困難やセルフマネジメントの重要性の理解などを主観的な評価だけでなく、24時間パルスオキシメーター、脈拍数、Metsなどのモニタリングを行い、客観的なデーターを基に、患者への認識の聞き取りを行うものである。Metsという労作の大きさを知ることができるため、動作や労作が呼吸に与える影響がはっきりとわかるものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
労作性の呼吸困難が生活に影響を及ぼす程度は、人によってさまざまであった。対象者は、呼吸器内科に定期的にリハビリテーションに通っている方で、リハビリテーションや自己管理には熱心な方だった。リハビリテーションに通っているときには、呼吸法を促されてやるが、自宅に帰ってからの生活の中で応用している方はほとんどいなかった。 また、食事や排便、入浴などの毎日の生活の中の労作がかなり負担になっている方もいたが、対象者の自覚はあまりなかった。SpO2が低下しているデータを一緒に見ることで、生活の一つ一つを振り返ることができた。入浴の時に椅子を使わずに着替えたり、トイレに行く前の労作ですでに呼吸に負担がかかっていることも分かった。 対象者の中には、夜間、呼吸困難を起こした方がいて、夜になると「労作時の呼吸困難から回復しなかったらどうしよう」と不安を抱えている方もいた。一人のデーターがかなり貴重なものであり、人数を増やすことを考えていたが、新型コロナウイルス感染症の流行で、対象者と会うこともできなくなり、研究がストップしている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着き、研究を再開できるようになったら、「24時間パルスオキシメーター装着による酸素飽和度のモニタリングと労作による酸素低下に対する患者の認識」について、再開する。 また、今年度は、呼吸器外来における看護師および医師のCOPD患者教育における認識、COPD患者教育の実際、患者教育受講者が少ない原因などについて明らかにするために、全国調査を考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の流行のため、国外の学会が中止になり参加できず、旅費を使うことができなかったため
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