研究課題/領域番号 |
17K12242
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
日高 紀久江 筑波大学, 医学医療系, 教授 (00361353)
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研究分担者 |
福良 薫 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (30299713)
林 裕子 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (40336409)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 遷延性意識障害 / 寝たきり状態 / 廃用症候群 / 食行動 / ケアガイドライン |
研究実績の概要 |
本研究は,意識障害があり寝たきり状態の患者の食行動の確立に向けたケアガイドラインを開発することを目的とした.意識障害の急性期には,脳圧亢進の予防及び後遺障害の軽減を図るために意識障害患者は一定期間のベッド臥床安静の状態になるが,急性期以降も意識の覚醒度が低いとベッド上での生活が強いられることになり,それに伴い筋力低下や関節拘縮等の廃用症候群が生じ,時間の経過とともにいわゆる寝たきり状態となっている.寝たきり状態になると,一般的に肺炎の発症や褥瘡形成のリスクが高くなり,全身の抵抗力が低下しやすい意識障害患者では生命の危機となる場合も多い.そこで本研究では,脳への有効な刺激となる食行動に着目し,生活リズム・栄養状態・姿勢・口腔機能におけるケアガイドラインの開発を試みた.長期間臥床状態であった意識障害患者が座位姿勢をとり、その姿勢を保持するためには循環機能の変化や骨折等に注意する必要があり,また経口摂取に始めることにより誤嚥性肺炎などのリスクを踏まえた,臨床現場において看護師が容易に使用できるガイドラインがあれば,将来的に寝たきり患者数や胃瘻実施率の低下及び看護の質の向上に貢献できるものと考える.
本研究では,国内外の文献を検索し,意識障害患者,あるいは廃用症候群を有する患者に実施しているリハビリテーション及び看護ケアの内容を明らかにした.それらの内容を踏まえ,ケアガイドライン試案を作成した.また,意識障害や廃用症候群を有する患者の看護に日常的に関わっている看護師を対象にインタビュー調査を実施し,それらの結果に基づいて意識障害があり寝たきり状態の患者の食行動の確立に向けたケアガイドラインを完成した.
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