本研究の目的は,放射線・化学療法を受ける頭頸部がん患者の食事摂取状態と身体状態を患者自らが記載する自己管理ノートを活用し縦断的に調査し,その分析結果から各治療時期(治療前・中・終了時・退院後1年まで)における食事・栄養摂取状態を改善するための食事の摂り方,摂しやすい食品,調理法の工夫等について明らかにし,患者のセルフマネジメント力強化に向けて自己管理ノートを活用した臨床看護師による食生活指導書とその活用方法について提言することである。 研究期間全体を通して,放射線・化学療法を受ける頭頸部がん患者の治療後1年間までの食生活の実態調査を行い,患者の各期のセルフマネジメント力の変化とその影響を看護師,医師,管理栄養士間で分析・共有し臨床看護師による患者のセルフマネジメント力強化に向けた食生活指導書の作成と活用方法を提言することを課題としていた。最終年度である2022年度には,H26~H29年度科学研究費助成事業課題(挑戦的萌芽研究)「臨床看護師のための頭頸部がん患者の治療過程別食生活指導ガイドラインの提言」の調査結果から,放射線療法・化学療法中に生じやすい自覚症状,食事摂取の特徴から,自己管理ノートに記載する内容を抽出し,患者が負担なく継続して記録できるように形式を整えた。しかし,自己管理ノートを完成させ製本すること,および対象者である放射線・化学療法を受ける患者に自己管理ノートを提示し活用するまでには至っていない。
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