研究課題/領域番号 |
17K12248
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
橋爪 可織 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (20338578)
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研究分担者 |
楠葉 洋子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (90315193)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 乳がん / サポートグループ / 母親 / インターネット |
研究実績の概要 |
本研究は、子供を養育中の乳がん患者に対する対面式サポートグループとインターネットを利用したサポートグループを併用した複合型サポートグループプログラムの実行可能性を検証し、QOL尺度、がんに対する心理的適応、不安・抑うつ尺度を用いて、プログラムの効果を明らかにすることである。 子供を養育中の乳がん患者は、母親役割を担いながら病気や治療と向き合い、自分自身をコントロールしていくことが必要とされ、身体的だけでなく精神的にも大きな負担を感じていることが予測される。複合型サポートグループプログラムは、従来行われてきた対面式サポートグループよりも時間的な拘束も少なく、時間を問わず参加できるというメリットがあり、治療と生活、子育てを両立させている患者にとって有用であると考える。 平成29年度はこれまでの文献検討、研究結果から複合型サポートグループプログラムを完成させ、実施する予定であったが、より効果的なプログラムを構築するため、プログラム内容の見直しを行った。これまでの研究において、子供を持つ乳がん患者は病気や治療、副作用に関することだけでなく、子供への病気の伝え方や子供への遺伝についての情報収集も行っていることや、同病者の生の声を知りたいという思いが強く、インターネットの体験談を参考にして心理的安寧を得ていたことが明らかとなった。そのため、参加者同士が安心して自分自身の体験や思いを表出し、また、ほかの参加者の思いを知ることができるようなプログラムを構築していく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
インターネットを用いたサポートグループ内容について、当初は対象者への情報提供を中心とし、対象者同士の交流をホームページ上の掲示板等で行うことを考えていたが、対象者にとっては情報よりも同様の経験をしている他の対象者との交流を中心としたプログラムのほうがより有効であると考え、変更しようと考えている。そのためプログラムの内容構築を再度行っており、研究の実施に至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
複合型サポートグループプログラムの内容を再度検討し、ホームページを完成させる。ホームページ上での情報提供だけでなく、医療者への相談窓口、他の参加者との交流を図ることができるホームページとする。ホームページを毎週閲覧してもらい、各週のテーマに応じた情報交換、交流ができるように、情報提供の方法を工夫する。 プログラムの完成後、倫理委員会の申請、対象者のリクルート、プログラムの実施を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度に複合型サポートグループプログラムを実施予定であったため、研究協力者がホームページ上の掲示板へのコメントなどに迅速に対応できるようにタブレット型コンピュータを計上していた。ホームページの管理のための雇用、プログラム参加者への謝金についても計上していた。 今後プログラムを実施する際にタブレット型コンピュータの購入、人件費・謝金の使用、また、プログラム実施に際し、会議費、通信費等も使用予定である。
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