子供を養育している乳がん患者は、母親役割を担いながら病気と向き合い、治療を継続している。乳がん治療は5~10年と長期にわたることもあり、患者は自分自身をコントロールしながら生活していくことが必要とされる。乳がん患者に対するサポートグループは不安感や抑うつを軽減することが明らかとなっており、子供を持つ乳がん患者にとっても有用である。 本研究の目的は、子供を持つ乳がん患者に対する対面式サポートグループとインターネットサポートグループを併用した複合型サポートグループプログラムの実行可能性を検証し、QOL尺度、がんに対する心理的適応、不安・抑うつ測定尺度を用いて、プログラムの効果を検証することである。 プログラム参加者のリクルートを行い、サポートグループを実施する予定であったが、新型コロナウイルスの流行により、対面式サポートグループの実施が困難な状況であるため、リクルートを中断した。2022年度は感染症の収束後リクルートを再開し、プログラムを実施していく予定であったが、対面式のサポートグループの実施はできなかった。 新型コロナウイルスの流行下での対面式のサポートグループの実施は感染対策の観点から実施できなかったが、この状況を踏まえ、インターネットを用いたサポートグループの有用性がより示唆された。しかしながら、不特定の参加者でのサポートグループにおける効果が明らかではないため、今後インターネットサポートグループの効果についてのシステマティックレビューを行い、より効果的なサポートグループの開発に向けて研究を継続する予定である。
|