研究課題/領域番号 |
17K12256
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
福井 里美 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (20436885)
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研究分担者 |
久村 和穂 (石川和穂) 金沢医科大学, 医学部, 助教 (00326993)
三浦 里織 首都大学東京, 健康福祉学部, 准教授 (20551071)
坂井 志織 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (40409800)
石橋 裕 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (50458585)
新井 敏子 和洋女子大学, 看護学部, 准教授 (60644101)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | がん / 薬物療法 / しびれ / 就労支援 / 働きづらさ / 指標 |
研究実績の概要 |
2019年度は5年計画の3年目となる。昨年度末までに収集した、抗がん剤によるしびれ症状等により就労にどのような支障がでているのか、当事者の障害年金申請を支援した社会保険労務士(以下、社労士)8名のインタビューデータの質的分析を行った。その結果、社労士は医療的支援を得にくい新たな制度のもと、外観からは把握しにくいがん患者の身体症状や、予後予測などの困難を抱えながら、看取り後の遺族支援も視野に入れて支援した。 8名の社労士インタビューデータの分析を進めた結果、本研究の目的である、抗がん剤に伴うしびれ症状を経験している患者の描写を含む、5名の社労士からの15事例に注目した。どのような作業、動作が「働きづらい」と表現されるのか、質的帰納的に分析した結果、足のしびれと疲労感〔歩く時間、距離(通勤)〕、アクセルを踏む感覚の鈍さ〔運転距離〕、〔タイピングを正確に続ける時間〕、塗布、裁縫、料理など道具を握って〔細かい力加減の調節を要する〕、金属等の〔物を握って運ぶ〕、高い場所に立って〔バランスをとって作業する〕等に、「すぐに疲れる」「補助が必要」「一定時間以上できない」「休みながら」「横になりながら」「補助具を使ってやっと行う」「落とす」「こぼす」などの状態が明らかになった。 この結果と、前年度までの当事者9名の経験の語りの結果を統合し、しびれによる働きづらさの指標の5領域24項目を作成した。これらの項目を、抗がん剤治療を受けん患者への看護を専門とする、認定看護師、専門看護師が集まる会議で審議し、欠落していると指摘を受けた農作業、漁業等の一次産業、寒冷場所での作業の項目を追加した。次年度に、当事者を対象とした指標項目の妥当性と実用性を検討する研究計画実施にむけて、所属施設の倫理審査の承認を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID19の影響で、調査先医療機関での倫理審査委員会の審議が延期になっているため。
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今後の研究の推進方策 |
対象協力医療機関の状況を確認しながら、数多く依頼していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID19感染拡大に対する医療機関の混乱、外出自粛の限界体制により、2月から3月に研究協力医療機関に説明や依頼の訪問をする予定であったが、延期せざるを得なかった。そのための旅費、調査材料、人件費の使用も延期した。
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