研究課題
子宮がん・卵巣がん・乳がん・精巣がん・前立腺がん患者の性への影響を調査した。〔化学療法によるボディイメージの変化による性的自己価値観の低下〕〔性交痛による苦痛〕〔耐え難い更年期症状〕〔性生活への抵抗感〕〔理解されない性への悩み〕〔子供ができないことへの苦悩〕などが明らかになった。モデル開発に伴う、がん患者への性に関するケアの問題について調査を実施した。調査の結果、女性生殖器がん患者(子宮・卵巣・乳がん)への、遠慮があり患者に関して聞くことができないこと、そこから指導など行うことの問題点が明らかにされた。男性生殖器がん患者に関しては女性生殖器がん患者と同様に遠慮が多く、関りが持てないことが明らかになった。女性生殖器がん患者および男性生殖器がん患者への介入を深めるためには看護師の意識改善が重要となることが示唆された。女性生殖器がん患者への看護介入は看護師は女性とパートナーとともに疾患から来る体の変化、がん化学療法による体の変化を受け止められるような支援を行うこと、男性生殖器がん患者への看護介入は男性性を理解し、パートナーとともに患者の自尊感情を保持し生殖機能を維持することへの介入が必要である。また、男性生殖器がん患者およびがん化学療法を受けており妊孕性の低下が予測される患者にとっては精子保存および受精卵保存の情報提供を早期から行い準備を進めることが必要である。女性生殖器がん患者および化学療法を受けたがん患者・手術により子宮摘出患者は代理母にて妊娠を行うことが難しいことから精神的なフォローが必要である。妊娠可能な女性がん患者においては、受精卵保存などにより子供を持つ可能性について説明し治療前に準備することなどの必要性が明らかになった。