研究課題/領域番号 |
17K12264
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
樋野 恵子 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (30550892)
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研究分担者 |
青木 きよ子 順天堂大学, 医療看護学部, 名誉教授 (50212361)
高谷 真由美 順天堂大学, 医療看護学部, 先任准教授 (30269378)
鵜澤 久美子 (桑江久美子) 順天堂大学, 医療看護学部, 助教 (50635167)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 慢性呼吸器疾患患者 / エンドオブライフ / アドバンスケアプランニング / 看護支援プログラム |
研究実績の概要 |
本研究は、わが国における慢性呼吸器疾患患者に特化したアドバンス・ケア・プランニング(ACP)実現のための看護支援プログラムを開発することを目的とする。 ACPは慢性呼吸器疾患患者におけるエンド・オブ・ライフケアを実践する上で、効果的と考えられるアプローチ方法のひとつである。国の内外を問わず、ACP実践では終末期だけでなく疾病早期の段階からのコミュニケーションプロセスを重視しており、患者の価値観や希望を、患者が大切に思う人々や信頼できる医療・ケア従事者と共有し、相互理解することが重要であるとされている。しかし、研究を進めるにつれACP実践にはいくつかの課題があることが明らかとなった。まず、アプローチを開始する適切な時期の選定が難しいということである。実際には在宅酸素療法の導入や急性増悪による入院など、治療の転換期に支援を開始することが多いが、本来は対象者が健康な時もしくは病状が安定している時から少しずつアプローチを開始していくことが望ましいと考えられるため、その具体的な検討が今後の課題となる。また、社会的な通念が個人の意思決定に影響するため、日本とは社会的・文化的背景の異なる欧米方式のACPをそのまま導入することは難しいことがわかった。意思決定の過程において、周囲への気遣いにより患者が本心を伝えられなかったり、家族等の意向を優先したりすることもある日本ならではの意思決定支援について、さらに深く検討していく必要があると考える。 以上に加え、2021年度はAMED長寿・障害総合研究事業長寿科学研究開発事業「呼吸不全に対する在宅緩和医療の指針に関する研究」より発行された「アドバンス・ケア・プランニング支援ガイド在宅療養の場で呼吸不全を有する患者さんに対応するために」の外部委員を担当した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の流行が遷延し、計画している患者・看護師へのインタビュー調査が実施できず、看護支援プログラムの完成には至っていない。研究期間を延長し、次年度も継続して取り組んでいく。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として、実施できていないインタビュー調査を行う。社会情勢を鑑み、安全に実施する方法を再検討する。実施したインタビュー結果とその分析を元に、看護支援プログラムの完成を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症流行の遷延に伴い、患者・看護師へのインタビュー調査が計画通りに実施できず、謝礼・交通費等の支出がなかった。また、参加を予定していた学術集会のほとんどが遠隔開催となり、旅費等の支出が不要となった。 研究期間を1年間延長していただいたため、今年度実施できなかった計画を実行し、成果へと繋いでいく。
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