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2017 年度 実施状況報告書

分子標的治療を受ける進行がん患者へのセルフマネジメント教育プログラムの構築と検証

研究課題

研究課題/領域番号 17K12265
研究機関東海大学

研究代表者

庄村 雅子  東海大学, 健康科学部, 准教授 (40287115)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード進行肝細胞癌 / ソラフェニブ / 自己効力感 / 健康関連QOL / 身体活動 / セルフマネジメント
研究実績の概要

【目的】進行肝がん患者を対象にソラフェニブ治療開始時をBaseline(BL)として、全対象にセルフマネジメント支援を実施し、自己効力感、健康関連Quality of life(HRQOL)、身体活動及びBMIの4か月間の変化を縦断的に明らかにした。
【方法】自己効力感はSEAC、HRQOLはEORTC QLQ-C30、身体活動はIPAQにより毎月評価し、統計学的に分析した。
【結果】対象は18例で、男性14例、平均年齢73.7±5.0歳、原肝疾患はHCVかHBV10例、TNMステージはIV11例であった。Grade3以上の主な有害事象は、皮膚毒性3例、高血圧1例であった。自己効力感スコアの平均は、Total efficacyはBL 96.8、2M91、4M97で、ADL efficacyはBL98、2M92、4M86であり、この2項目だけBLに比べ2,4Mは有意に低い傾向を示した。HRQOLスコアは、全般的健康観、身体機能、役割機能、情緒機能、認知機能、社会機能、疲労感、食欲不振、下痢の項目でBLに比べ2,4Mが有意に悪い傾向を示した。自己効力感もHRQOLも全ての項目で2Mと4M時点でのスコア間に有意差は認めず、4Mの平均スコアは2Mに比べ概ね横ばいか改善傾向であった。身体活動として、1日あたりの3METs以上の運動時間hoursの平均はBL4、2M3、4M4で、いずれの時点間にも有意差は認めなかった。BMIの平均値はBL23、2M21、4M21で、BLに比べ4Mで優位な低下を認めた。
【考察】ソラフェニブ治療を受けている肝がん患者において、自己効力感とHRQOLのいくつかの項目でBLに比べ2、4Mで有意に悪化し、2Mから4Mにかけては低下がない傾向が示された。主な有害事象でHFSR、疲労感、下痢を認めた患者でADLに影響をきたしADL efficacyとTotal efficacyやHRQOLが低下した可能性が考えられた。以上から、有害事象のでやすい導入から2カ月目の時期に密に支援する必要性があると言える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

試作したセルフマネジメント支援プログラムを進行肝細胞がん患者を対象に実行可能性試験を行っている段階にあるが、対象数の確保が難しく、今後は多施設共同研究の可能性も含めて計画の見直しが必要と考えている。

今後の研究の推進方策

今後は現在施行している試作版セルフマネジメントプログラムの有効性に関する調査を完遂し、無作為化比較試験へ移行できるよう計画の見直しと、研究環境の整備を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

分子標的資料を受けている肝細胞癌患者へのセルフマネジメントプログラムの実行可能性研究の調査の進捗が遅れたために、その成果を発表予定であった国際学会や英文雑誌に提出できなかったため、海外渡航費・学会参加費・英文校正や掲載料などの計画していた予算を執行できなかった。
2018年度に前年度執行できなかった英文校正や掲載料、学会参加費として残額を使用する計画である。また、可能であれば次年度使用額によりデータ入力の効率化のためフィールドに携帯できるノート型パソコンを一台購入する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ソラフェニブ治療を受けている肝がん患者の自己効力感、健康関連Quality of life、身体活動及びBMIの縦断的変化2018

    • 著者名/発表者名
      庄村雅子
    • 学会等名
      日本肝がん分子標的治療研究会
  • [学会発表] ソラフェニブ治療を受けている肝がん患者の自己効力感、健康関連Quality of life及び身体活動の縦断的変化2017

    • 著者名/発表者名
      庄村雅子
    • 学会等名
      日本看護科学学会

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公開日: 2018-12-17  

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