研究課題
遺伝性腫瘍は全がんの10%を占めると言われ、多臓器にわたり同時性・異時性にがんを発症するため早期に発見されなければ生命予後にも影響を与えると報告されているにもかかわらず、がん診療に携わる専門職ですら、その認識が薄いのが現状である。その背景として、国内の看護学基礎教育において遺伝学や遺伝リテラシーに関する教育プログラムが不十分なことがあげられる。そこで、がん看護専門看護師を対象として、遺伝性腫瘍に関する知識と共に遺伝リテラシー向上のための教育プログラムの開発を行うことを目的とした。平成29年度は、①文化の違いによる遺伝リテラシー教育の差異について、国内外の教育機関のホームページから遺伝リテラシー教育に関する内容を検索し抽出する担当分野を決定した。②がん診療連携拠点病院に所属するがん看護専門看護師の遺伝カウンセリングへの関与の実態調査に関する質問項目を抽出した。平成30年度は、①担当分野ごとの遺伝リテラシー教育に関する文献検討を進めた。②がん診療連携拠点病院に所属するがん看護専門看護師の遺伝カウンセリングへの関与の実態調査では、687名に調査票を発送し、235名(回収率34.2%)より返送があり、90%ががんゲノム医療および遺伝性腫瘍に関して勉強する機会を希望しており、ニーズの高さが明らかとなった。量的解析および質的解析を行い、論文投稿の準備を行った。令和元年度は、遺伝リテラシー教育に関する文献検討の結果およびがん看護専門看護師への調査結果をもとに教育プログラム案を作成した。令和2年度は、いかなる状況下でも学びが継続できるように、従来の形式にこだわらず効果的な教育方法(e-learning、テキスト配布など)を検討した。さらに、臨床現場で働くがん看護専門看護師を対象者とするのは難しかったため、がん看護専門看護師養成コースに通う大学院生の講義で活用し、内容の妥当性を検討した。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件)
日本がん看護学会誌
巻: 35 ページ: 1-9
四国医学雑誌
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