研究課題/領域番号 |
17K12273
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
稲垣 美紀 摂南大学, 看護学部, 准教授 (60326288)
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研究分担者 |
岡田 彩子 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (10425449)
田中 結華 摂南大学, 看護学部, 教授 (80236645)
大田 博 四條畷学園大学, 看護学部, 講師 (10739775)
竹下 裕子 (吉田裕子) 摂南大学, 看護学部, 准教授 (10437668)
稲垣 範子 摂南大学, 看護学部, 助教 (90782714)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | セルフケア / 心筋梗塞患者 / 支援する上での課題 / 期待する支援システム / 質的研究 / 医療従事者 |
研究実績の概要 |
平成29年度に実施した心筋梗塞患者と家族のセルフケア支援を実践している医療従事者を対象とした調査の分析を行い、調査結果を学会にて発表した。医療従事者支援する上での課題については、15カテゴリーに分類された。さらに、15カテゴリーは【心筋梗塞に対する知識不足があり、自身の生活習慣や自己管理と病気が結びつかない】といった『患者に関する内容』、【家族や職場などの周囲の人々から有効的なサポートが得られていない】といった『家族や職場の環境を含めた周囲の支援に対する内容』、【有効な介入するための情報収集や教育方法を選択することが難しい】といった『医療従事者の支援や支援体制に関する内容』に分類された。患者の疾患に対する認識やセルフケアの負担感に関するものが多く、患者の認識が生活改善にまでつながらないこと、患者の性格や社会面や経済的側面を考慮したアプロ―チをしなければ、患者の負担感が強くなり、支援が困難になっていることが考えられた。また、独居や同居家族の関心のなさや高齢化からの支援の不足、在宅での療養をサポートできる院内外の体制に関する課題があり、外来心臓リハビリテーションが終了した患者やリハビリに通院できない高齢患者や有職者など個々の患者の状況に対応して継続的に支援することへの課題があることが考えられた。セルフケアを支援する上で期待するシステムは、【在宅療養をサポートできる地域の施設との連携やネットワークの整備】【院内の専門職の専門性を生かせる環境やネットワークの整備】、【支援するためのツールに関する内容】などの3カテゴリーに分類された。院内外の支援体制が十分でなく、各専門職の連携に関する課題があり、個々の患者の背景を考慮した個別的・集団的アプローチに加えて、さらなる多職種連携システムと院内外における包括的な支援システムの構築が必要であることが考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2018年度は、患者を対象とした面接調査を実施予定であったが、調査機関との調整に時間が要したため、まだ調査を実施できていない。2019年度初めには、調査を実施できる計画で、調査機関と打ち合わせをしており、準備は整っている。
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今後の研究の推進方策 |
面接調査の実施と分析をスムーズにするため、共同研究者を1名追加した。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度に実施予定であった面接調査が実施できておらず、面接調査の費用とそのデータの分析や結果発表にかかる費用が未執行であり、2018年度の予算は余剰している。次年度には、2018年度に実施予定であった計画を実施するため、計画通りに執行する予定である。
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