研究課題/領域番号 |
17K12282
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
野口 真貴子 北海道大学, 保健科学研究院, 准教授 (30459672)
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研究分担者 |
村山 より子 千葉科学大学, 看護学部, 教授 (70289875)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 食習慣 / 母親 / 幼児 |
研究実績の概要 |
本研究は、1.幼児と母親をペア(組)として双方の食習慣を明らかにする、2.幼児と母親を対象とした食に関する教育プログラムを開発する、の2つを目的とした研究である。研究初年度は研究目的1.を達成すべく、研究計画を北海道大学大学院保健科学研究院倫理審査委員会に提出し、倫理的観点から審査し、承認をうけて調査を実施した。3歳から6歳児を育てている母と幼児を対象に、研究協力の承諾が得られた本州の2地域の保育園、幼稚園の計6か所で調査を実施した。質問票の回答を母親に依頼し、母子の食習慣や属性に関する質問票、母親の食事内容を問う食事歴質問票(BDHQ)、子どもの食事内容を問う幼児用食事歴質問票調査票(BDHQ3y)に回答を得た。第1調査地域からは113組の母子より回答が得られ、そのうち95組の母子を有効回答とした。第2調査地域からは、現在、111組の母子より回答を得られ、これに加えて20組程度の質問票が回収予定である。以上の調査状況より、当初研究計画では母子200組程度と標本数を想定していたので、これらの2地域での調査でデータ収集は終了する。 第1調査地域から得られたデータの分析結果では、母子間での良い食習慣(朝食を習慣的に摂取している、食事時間は決まっている等)の関連は認められなかったが、何かをしながら食事をするという悪い食習慣は、母子間で一致していた(κ= .633)。また4名(4.2%)の幼児が、カルシウムなどのサプリメント(子どもサプリ)を使用していた。この結果は、2018年7月4日から6日に開催されるthe European Congress of Epidemiologyでの一般発表演題として採択されている。 また先行研究である「幼児を育てている母親の食生活に関する研究」の成果を基盤に、国際疫学会および日本ウーマンズヘルス学会で当該研究への継続の視点や課題をふくめ発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画では、母子の食習慣調査は研究2年目半ばまで継続する予定であったが、分担研究者、連携研究者の調整、研究協力施設の協力により、研究初年度で目標標本数を達成することができた。今後は、すでに配布した質問票の回収および分析を実施できる状況であることから、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、調査結果の分析を多角的にすすめ、幼児を育てている母親と子どもの食習慣の特徴、課題を具体的に明らかにする。これに基づいて、幼児を育てている母親と子どものための食に関する健康教育プログラムを立案し、専門家との検討等をつうじて、妥当性、信頼性を高める予定である。 研究最終年度である平成31年度は、策定された健康教育プログラムを実施し、その評価を行い、健康教育プログラムの質をさらに高めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査地域での研究協力施設での協力が得られたため、調査のための予算(調査員の人件費、謝金、交通費)の支出がなかった。この予算は、来年度以降、調査協力地域での研究結果報告、健康教育プログラムの実施等で使用する予定である。
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