研究課題/領域番号 |
17K12288
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
高田谷 久美子 山梨大学, 大学院総合研究部, 医学研究員 (20125983)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ダウン症候群 / きょうだいの思い / 父親の会 / きょうだいの会 |
研究実績の概要 |
ダウン症児のきょうだいを対象としたインタビューから、きょうだいの思いとして以下の事柄が明らかになった:1)ダウン症の同胞と生活する中で、障害を持っているということをいちいち気にしていられない、2)同胞の年齢不相応な行動や同胞の理解が及ばないことにイライラしたりすることもある、3)同胞のありのままを認め、ヒトは皆、利点も欠点もあるのが当たり前であると理解していく、4)社会の"障害"に対する態度と、自身の捉える"障害"との違いに、社会に対しての憤りを抱く、5)一緒に遊んでいたきょうだいは、年齢が長じてくると同胞に対して保護者目線になってくる。 また、きょうだいの会として、試みに小さいときから知り合いになった方が良いであろうということから、社会人及び大学生のきょうだいが中心となり、年長~小学生を集め、一緒に遊ぶ機会を設けた。今後定期的に行っていく予定。 父親の体験を次世代にどのようにつなげていくかを検討するための一環として、2018年3月にサウス・オーストラリアにある父親の会"Foundation 21"を、日本ダウン症協会の山梨県支部の会員である父親2名、きょうだい1名と訪ね、会長と意見交換・情報収集を行った。また、会員の集いにも参加し、意見交換と今後の交流について検討した。その結果、参加した父親自身の意識が高まったことも大きな収穫となったが、今後についても積極的に取り組む姿勢が見られるようになったことである。さらに、Foundation 21のメンバーと交流を深めることで、当事者も含め、会員の視野も広がることが予想される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
オーストラリアの父親の会を訪問する時期が、先方の都合により年度末になってしまい、その後の検討が不十分となってしまっている。
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今後の研究の推進方策 |
父親の体験をどうつなげるかについては、オーストラリアでの体験及び情報を、会員の中で共有する機会を設け、父親が会に係わりやすくなるような方策、あるいは新しく親になる方々、ことに父親に対しての情報の発信方法など検討していく。 きょうだい支援に関しては、中核となるきょうだいとともに、きょうだい会としてのあり方、継続するための方策など検討していく。 当事者の思いをまとめていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
オーストラリアで活動しているダウン症を持つ子どもの父親の会の訪問が遅くなったため、その後の父親との活動自体に遅れが生じてしまったこと、及び当初28年度で終了予定の科学研究費での冊子作成などで、当初の予定より、きょうだいの会の進行のインタビュー・準備にも多少の遅れが生じ、予定回数をこなせなかった。 研究成果発表及び情報交換・収集のために国際学会に参加(現在、いくつか口演と話し合いのためオファーが来ている)。また、父親の会で、具体的にどのような活動をしていくかを話し合い、実施していく。そのための、人件費ならびに必要物品の購入に充てる予定である。
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