私の研究目的は,がんの早期発見が遅れがちな若年乳がんの一種である「妊娠関連乳がん(pregnancy associated breast cancer以下PABCと略す)」の特徴である専門医受診遅延行動を回避し,早期受診・早期発見ができるように,産科看護師・助産師を活用することである. 研究では以下の4点について実施した.①聞き取り調査,②聞き取り調査内容の分析,③助産師への啓発,④学会等に研究成果の報告. ①調査:PABC患者のプライマリー助産師へ聞き取り.わが国と世界におけるPABC看護の動向に関する文献検討調査を実施した.PABC患者と看護師・医師に対し香川大学附属病院外来の初心時から退院までの状況と,PABC患者に対する思いを聞き取り調査した.②分析:2017-2018年度に乳腺専門外科看護師,助産師,PABC患者から聞き取れた内容を逐語録に起こし,M-GTAを使用して分析した.③助産師への啓発:研究の成果を2019/10/20香川県助産師会研修会「母乳育児支援と授乳期の乳がん」で,タイトル「助産師と乳がん」として研究成果を報告し,助産師へPABC患者の傾向と対策についての啓発を行った.④成果発表:2019/3「日本看護研究学会中国・四国地方会第32回学術集会」にて「妊娠関連乳がんに焦点をあてた文献研究」発表.香川大学看護学雑誌2019「わが国における妊娠関連乳がん(PABC)看護の動向に関する文献検討」発表.2020/3「日本看護研究学会中国・四国地方海 第33回学術集会」にて「外科病棟看護師の若年乳がん患者に対する意識の分析」を発表,2021/3「日本看護研究学会国中・四国地方会 第34回学術集会」にて「子育て期にある乳がん患者の子供への告知に関する文献研究」を発表した.
|