研究課題/領域番号 |
17K12294
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
末次 美子 九州大学, 医学研究院, 助教 (70437789)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ボンディング障害 / 周産期 / メンタルヘルス |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、1.出産後1か月時点の母親のボンディング障害の有病率の実態を明らかにすること、2.出産後1か月時点の母親のボンディング障害の予測因子を明らかにすること、3.妊娠期から出産後1か月までの母親のボンディング障害の予測因子を明らかにすることである。 本研究で使用するボンディング障害の分類を明らかにするための半構造化面接法は、スタッフォード面接(Brockington, 2014)であり、妊娠中から出産後1年までの女性を対象に行う面接で、母親の胎児および乳児に対する気持ちの障害を評価するものである。この面接法は、精神科医・小児科医・臨床心理士・助産師である研究者によって日本語に翻訳された。この面接法の評定は、半構造化面接の逐語録を研究者間で検証し信頼性妥当性を確認した。 研究デザインは、前方視的記述的因子探索研究である。 平成29年度は、調査施設との調整を行い、研究計画について所属機関の倫理審査委員会の承認を受けた。産科的ハイリスク妊婦に対するリクルート、妊娠期の半構造化面接と質問紙調査、及び分娩期の診療録からのデータ収集を行った。データを整理し、ボンディング障害のスクリーニングのための質問紙のカットオフ値の量的検証に備える一方で、一部はケースレポートとして質的な分析を行い、ボンディング障害の実態と関連要因、およびスクリーニングのための質問紙のカットオフ値の設定及び妥当性についての分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、当初の計画通り順調に進展している。平成29年度は、本研究計画について所属機関の倫理審査委員会の承認を受け、調査機関との調整を行い、妊娠期の女性に対するリクルート、及び、妊娠期の調査を行い、産褥期の調査に向けて準備や調整を行った。また量的質的分析に備えてデータ整理を行った。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度の中断期間を経て、平成31年度より研究を再開し、当初の研究計画を順延する。平成31年度には全調査を終了させることを予定する。 研究対象者について、対象者を大学病院産科外来で妊婦外来を受診した者としていたが、ローリスク妊婦も研究対象者に加えるため、調査施設を拡大することを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究対象者のリクルートを1施設のみで行ったため、調査費用が当初計画より少なく、また学会への参加が当初計画より少なかったため、次年度使用額が生じた。 翌年度は研究を中断するため、再来年度から、調査施設を拡大し幅広く研究対象者をリクルートし、また関連学会へ参加し成果発表や情報収集を行う予定である。
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