研究課題/領域番号 |
17K12304
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研究機関 | 名古屋学芸大学 |
研究代表者 |
清水 嘉子 名古屋学芸大学, 看護学部, 教授 (80295550)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 夫婦ペアレンティング / 育児 / 支援 / 母親 / 父親 |
研究実績の概要 |
研究成果の報告:父親の子育て関与を促進したり阻害したりする調整者としての母親の存在に注目し、夫婦ペアレンティング調整尺度を用いて関連要因を明らかにした。促進行動と抑制行動の4パターンの比較において、促進高批判低で、母親では‘夫への感謝’が高く、結婚の‘現実’である相思相愛、夫への理解・支援、妻への理解・支援が高かった。さらに子育ての話し合いで納得していた。促進低批判高では‘子育て不安’‘夫の支援のなさ’が高かった。促進高批判高では子育ての話し合いを数えきれないほど行なわれていた。また、夫婦の子育ての話し合いの状況、夫婦が相手から子育てを批判された時の気持ちや、批判の背景にある事柄の受け止めを明らかにした。夫婦の育児への批判をめぐって、その違いや特徴が明らかになった。 研究成果の学術的意義や社会的意義:促進行動と抑制行動の4パターンは、ほぼ均等に存在し、促進高批判低では4パターンで最も良好な心理状態が示されている。また、夫婦の育児への批判をめぐって、夫と妻の違いや特徴が明らかになった。夫婦は互いの信頼関係や感謝の心、支え合いの中で、二人の関係への満足感をもっていた。妻を支えたいという夫の思いと、子どものために、妻に支えられている実感の中で、二人の関係は保たれ調整されていた。こうした夫婦関係を基盤にして、良好な夫婦ペアレンティングへの思いが保たれていた。 夫婦ペアレンティングに関する、量的な実態とその特徴、質的な夫婦それぞれの批判から、妻と夫の受け止めや背景にあるものの違いを念頭において、夫婦の認識や受け止めのずれが大きくなる前に、お互いの思いを伝達すること、親役割観の見直し、育児観の尊重、不満な思いを伝え話し合うことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来4年で計画していたものが、1年目に公務の関係でほとんど進めることができなかったことから、研究期間の延長を行った。夫婦ペアレンティングの実態研究からスタートし、データの再分析により、影響要因の分析を行ない、論文にまとめている。また、質的な調査として聞き取りを行い分析により、夫婦の育児への批判の背景にあるものや受け止め、夫婦関係の自覚や夫婦ぺアレンティングの思いを明らかにしてまとめた。さらに介入を想定した、評価としての尺度開発を行なうための量の調査を終えており、現在分析中になる。残された今年度にかけてこれらを論文にする課題がある。
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今後の研究の推進方策 |
残された1年でなすべきことはすでに述べたとおりであり、今のところ公務と両立させながら成果を上げていくことができると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
延長により予算を執行する予定のものは、論文を学会誌に投稿し掲載に伴う費用、別刷の作成、学会の発表などを予定している。残り1年のため、調査の計画はしていない。
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