研究課題/領域番号 |
17K12310
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
瓜生 浩子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (00364133)
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研究分担者 |
長戸 和子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (30210107)
岩井 弓香理 高知県立大学, 看護学部, 助教 (40633772) [辞退]
山口 智治 高知県立大学, 看護学部, 助教 (80784826) [辞退]
坂元 綾 高知県立大学, 看護学部, 助教 (90584342)
西内 舞里 高知県立大学, 看護学部, 助教 (10783649)
中井 美喜子 高知県立大学, 看護学部, 助教 (80827634)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 家族看護 / 倫理調整 |
研究実績の概要 |
本研究は、家族内および家族-医療者間に生じる倫理的な問題や葛藤の解決を図る看護者による「倫理調整」に有効な方略と技術を特定して、『家族内および家族-医療者間の倫理調整モデル』を作成し、その実践力を強化するための効果的な教育ツールを開発することを目的としている。今年度は引き続き、家族支援を積極的に行っているエキスパート看護師を対象としたインタビューデータを追加し、家族内および家族-医療者間に生じる倫理的な問題や葛藤の特徴、その解決や軽減を図るための看護者による「倫理調整」の方略と技術の特定化に取り組んだ。 インタビューデータを質的記述的に分析し、家族内に生じやすい倫理的な問題や葛藤、家族-医療者間に生じやすい倫理的な問題や葛藤について、それぞれの特徴および介入の難しさを整理した。家族内では、治療や療養の方針の決定に関わる問題が多く、その背景には、その時の家族の心理状態、家族の歴史、医療者の関わりなど様々な要因が絡んでいた。家族-医療者間では、家族と医療者の認識の違い、家族の反応に対する医療者のネガティブな捉えなどが背景にあった。そして、医療者が家族に対して抱くネガティブな感情や苦手意識が、家族への関わりや情報提供の減少につながり、家族内の認識のずれを生んで、意思決定時のトラブルや葛藤を引き起こし、家族-医療者間に距離ができるというように悪循環が生じやすいことが見出された。これらも踏まえ、家族支援に関連する倫理的な課題を多次元的に分析する視点、課題の特徴ごとの倫理調整の方略、倫理調整に臨む看護者に求められる基本的姿勢を抽出し、倫理調整モデルを作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響により、データ収集方法の変更を行ったこと、臨床の状況を見ながら研究協力を依頼を行ったことなどから、計画どおりに研究が進まなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、『家族内および家族-医療者間の倫理調整モデル』の作成と評価、教育ツールの開発に焦点を絞り、計画的に進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ収集が遅れたこと、メールとWeb会議システムを活用して研究協力者とのやり取りやデータ収集を行ったことなどから、データ収集にかかる費用があまりかからず、多くの残金が生じた。 次年度は、データ収集にかかる費用、テープ起こしや資料整理のための賃金、教育ツール作成のための資料や材料購入、教育ツールや報告書の作成・印刷費等に使用する予定である。
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