研究課題/領域番号 |
17K12312
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
成田 伸 自治医科大学, 看護学部, 教授 (20237605)
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研究分担者 |
望月 明見 自治医科大学, 看護学部, 講師 (30289805)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 妊娠糖尿病 / 2型糖尿病 / 助産外来 / 継続支援 |
研究実績の概要 |
本科研においては、助産外来を活用した妊娠糖尿病女性への妊娠分娩産褥期の継続的な支援の確立が大きな目的であるが、最近になって、できるだけ長期間の密度の濃い母乳育児と産後早期の体重復帰が、妊娠糖尿病既往女性の2型糖尿病発症予防で効果があるとエビデンスが出ており、これらは特に助産外来での助産師による支援が重要である。本研究ではそのため、研究代表者・研究協力者が協働して、診療報酬において従来からある在宅妊娠糖尿病患者指導管理料に、産後の支援を追加することを、2019年6月に日本母性看護学会を通じて申請し働きかけてきた。その成果として2020年4月から在宅妊娠糖尿病患者指導管理料を産後「産後12週まで」に1回追加して実施可能となった。 診療報酬上その実施が助産外来や助産師に限定されているわけではないため、助産外来を運営する助産師が、糖代謝内科医・産科医を含め病院内の関係職種を調整することが必要となる。また、これをきっかけとして、妊娠糖尿病妊婦への支援も開始することで、本研究が当初から目的としてきた、助産外来における妊娠期から産褥期への継続的な支援が可能となる。 本研究では助産師向けに妊娠糖尿病妊産褥婦への支援について学ぶ研修会のプログラムを構築し、日本母性看護学会における助産師向けの研修会「糖代謝異常妊産褥婦への看護支援セミナー」開催を支援してきた。また研究協力者の1施設における事例研究ではあるが、軽症の妊娠糖尿病の診断でインスリンを使わなかった妊婦の血糖管理の難しさを公表することができた。 本研究では残りの1年の間で、この診療報酬上の変更を、研修会等を通じて周知し、助産師が助産外来における実践につなげていくとともに、介入プログラムを開発し、介入評価のプロトコール作成の予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の最終的な目標は、助産外来を活用した妊娠糖尿病女性への妊娠分娩産褥期の継続的な支援の介入評価であり、現在の進行では、介入を評価する段階までは至っていない。 その理由として大きいのは、本研究に取り掛かった初期に、ローリスクに焦点化されて教育・臨床経験を積んでいる助産師自身に、妊娠糖尿病妊産褥婦についての知識が不十分な状況であることに気づいたことによる。そのため、まずは助産師向けに妊娠糖尿病妊産褥婦への支援について学ぶ研修会のプログラムを構築し、日本母性看護学会における助産師向けの研修会「糖代謝異常妊産褥婦への看護支援セミナー」開催を支援することで、助産師の関心を妊娠糖尿病妊産褥婦の支援に向けることが、最初の課題となった。このセミナー等を通じた周知を通じ、徐々に助産師の関心は高まっており、今後1年間の周知活動により助産外来での実践の拡大が期待できる状況となった。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度には、これまでの成果として、研究協力者の1施設における事例研究ではあるが、軽症の妊娠糖尿病の診断でインスリンを使わなかった妊婦の血糖管理の難しさを公表することができた。まだデータの段階の事例がいくつかあり、その分析と公表を行う予定である。この実践の分析は介入プログラム開発につながる。 本研究では残りの1年の間で、この診療報酬上の変更を、研修会等を通じて周知し、助産師が助産外来における実践につなげていくとともに、事例研究で積み重ねた支援方法を基本に介入プログラムを開発し、その周知を務めていく。また介入評価プロトコール作成の予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究の最終的な目標は、助産外来を活用した妊娠糖尿病女性への妊娠分娩産褥期の継続的な支援の介入評価であり、現在の進行では、介入を評価する段階までは至っていない。 その理由として大きいのは、本研究に取り掛かった初期に、ローリスクに焦点化されて教育・臨床経験を積んでいる助産師自身に、妊娠糖尿病妊産褥婦についての知識が不十分な状況であることに気づいたことによる。そのため、まずは助産師向けに妊娠糖尿病妊産褥婦への支援について学ぶ研修会のプログラムを構築し、日本母性看護学会における助産師向けの研修会「糖代謝異常妊産褥婦への看護支援セミナー」開催を支援することで、助産師の関心を妊娠糖尿病妊産褥婦の支援に向けることが、最初の課題となった。このセミナー等を通じた周知を通じ、徐々に助産師の関心は高まっており、今後1年間の周知活動により助産外来での実践の拡大が期待できる状況となったため、ようやく介入プログラム開発とその評価に取り組める状況となった。
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