研究課題/領域番号 |
17K12317
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
高橋 真理 順天堂大学, 医療看護学研究科, 特任教授 (20216758)
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研究分担者 |
佐々木 裕子 杏林大学, 保健学部, 教授 (80265769)
大田 康江 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (80650134)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 産後うつ / 一次予防 / 周産期メンタルへルスリテラシー / 心理教育的介入 / 児の泣き / 寝かしつけ / 夫婦のコミュニケーション / 育児プログラム |
研究実績の概要 |
本研究は、豪州で開発された心理教育的育児介入プログラムWWWTの日本版”WWWT-japan”を開発し、わが国でのプログラムの有用性および産後うつ軽減への効果を検証することである。 本年度当初の計画では、3施設において、対面介入2回によるWWWT-japanの実施による効果検証の予定であった。しかし、COVID-19の影響から、対面介入ができなかったため、2021年度まで研究を延長し、未だ感染収束が見通せないことから、介入方法を、対面介入からオンライン介入へと変更することにし、今年度はその準備と予備調査を進めることととした。 オンラインへの移行は①WWWT-Japanの概要理解のためのオープニング動画の作成(限定公開:現在未公開)、②WWWT-Japan HP(https://wwwt-japan.org/ )上での14のワークシートを、画面上で夫婦が入力し、夫婦で比較し、話し合えるように、アニメーション導入による新画面を作成した。 予備調査は、①13組の両親と母親2名を対象に、WWWT-japanの「赤ちゃん編」育児クラスを実施し、その有用性を評価した結果、FPS(FeedーPlay-Sleep)サイクル、寝かしつけ、泣きの理解などへの高い評価の回答が得られ、その有用性が示された。②①の夫婦7組を対象に、産後2,4.6ケ月まで追跡した結果、児の泣き・ぐずり行動が減少し、母乳率は変わらないまま、母児の関係性は維持され、児のぐずり行動が有意に短縮することが実証された。③リアルアイムによるオンライン受講を3組の夫婦に実施した結果、両親と支援者側との双方向会話重視のプログラムは、両親からの理解度、介入方法について高い評価が得られた。また、「赤ちゃん編」の反応はよかったが、一方、「ママ・パパ編」では、一人の父親は参加を辞退し、夫婦の話し合いには抵抗がある父親の課題も考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初2019年度末に予定していた病院の外来での対面介入が、COVID-19緊急事態宣言により、研究実施が困難になったため、2020年度まで研究を延長した。 しかし、本年度も同様な理由から実施ができなかったため、2021年度まで研究を再延長した。しかし、2021年度も感染の収束の見込みが立たない現状から、介入の方法を当初予定していたface to faceの対面方法ではなく、WEBによる0n-lineの方法へ変更することとし、急遽その実施に向け、準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19の感染継続により、Face to face による介入の実施が困難であることから、on-lineによる介入実施へと変更する。なお、on-line の場合には、広く対象者を得ることができること、児をつれて両親が病院にくる必要がないことなどの利点も考えられる。 また、あわせて、HP等によるSNSによる発信を更に強化し、対象となる両親をはじめ、広く関係者への啓発の効果もねらいたい。なお、WWWT-japanのon-lineによる実施にむけては、現在、紹介のためのオープニング動画の作成、WWWT-JapanのHP上で入力できるワークシートの作成および動作確認、2回の介入によるPPT説明資料の作成までは準備が整っている。 今後は、各セッション毎に動画を作成し、受講対象者を病院およびSNSで勧誘し、新たな方法による有用性と課題を明らかにするとともに、受講の効果を検証し、来年度報告書にまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度予定していた介入の効果検証に関する諸費用を、来年度の使用に変更したため。
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