研究課題/領域番号 |
17K12321
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
小川 久貴子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (70307651)
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研究分担者 |
安達 久美子 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 教授 (30336846)
白井 千晶 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (50339652)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 10代母 / 若年妊婦 / ICTプログラム / 教育教材 / ティーンズママライフ / DV予防 / 子ども虐待予防 / 育児情報 |
研究実績の概要 |
本研究の第1段階では、19歳の若年妊婦におけるICT活用プログラムの閲覧前後の心理的ストレス反応と自己肯定感を比較した結果、プログラムによる不安の低減と自己肯定感の増幅が明らかになった。第2段階の分析では、若年妊婦を18歳以下と19歳以上の2群に分けて、ICT活用プログラムの閲覧による心理的ストレス反応と自己肯定感の変化から効果をみることにした。その結果、自己肯定感の対他者領域の自己閉鎖性・人間不信に関して18歳以下群と19歳群間で差異が認められたことから、18歳以下群において妊娠・出産以外に家庭や人間関係などで問題を抱えているとも考えられる。しかし心理的ストレス反応に関して両群間に差異は認められず、閲覧前の出来事の経験に関しても両群間で顕著な差異は認められなかった。中退者の比率は18歳以下群において高いことから、妊娠という出来事が自己閉鎖性・人間不信の得点を高めてしまったのかもしれない。一方で19歳の若年妊婦では、学校など所属集団からの離脱という事態には至らない可能性があるため、自己閉鎖性・人間不信の得点が高まらなかったとも推察される。いずれにせよ、若年妊婦を若年というだけでひとくくりにするのではなく、年齢の違いなど発達的視点から妊婦の状態を把握する必要性が示されたといえる。また、18歳以下群に認められたように、より低年齢化すると、ICT活用プログラムは自己意識に変容をもたらさず、悲哀といった抑うつ反応を増幅してしまう可能性が示唆された。18歳以下群のように若い若年妊婦の場合、情報提供や知識の補填といったアプローチではなく、直接的に寄り添い働きかけるようなアプローチを用意する必要があり、今後の新たな研究に発展させていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、若年妊婦における研究結果を論文2本にまとめ原著で掲載したため、概ね、計画は順調である。 支援者養成講座が、コロナ禍のため対面で開催できておらず、次年度は論文投稿をしておきたい。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、支援者養成講座の開催アンケートを基に、プログラム検討を論文発表することを目指す。また、ICT活用プログラムの情報を更新し、読者を広げることを実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19 により支援者養成講座開催が対面で実施できなかったため、次年度にこれまでの成果からプログラム作成を論文発表するために次年度使用額が生じた。
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