研究課題/領域番号 |
17K12325
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研究機関 | 一宮研伸大学 |
研究代表者 |
田辺 圭子 一宮研伸大学, 看護学部, 教授 (40508959)
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研究分担者 |
玉腰 浩司 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (30262900)
室月 淳 東北大学, 医学系研究科, 客員教授 (50239555)
高橋 由紀 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (80346478)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 妊娠初期 / 食事栄養調査 / 胎内環境 / EPDS / PAI(胎児愛着) |
研究実績の概要 |
本研究は、成人病胎児期起源説の観点から、胎児期から新生児期にかけての栄養調査を縦断的に実施し、妊婦の食生活が胎内環境と母乳成分やその後の児の発育に与える影響の有無を検討することを目的として実施した。昨年までに、倫理審査を受け、承認を得たのち準備を整えた。研究協力施設の一つである宮城県のクリニック(A施設)へはすでに、前回報告の時点で説明並びに準備が整い、2018年5月よりデータ収集が開始された。残りの1施設(B施設)は病棟移転等のため多少遅れたが、5月に研究施設の看護部長に研究について研究概要の説明をし、6月に産科病棟スタッフに文書を持ちいて研究協力を依頼し、7月に産科外来主任に研究について同様に説明した。その後、産科外来にてデータ収集を開始した。 月によって差はあるものの、順調に参加者を獲得することができ、現時点(5月)までに、A施設43名、B施設94名、計137名の妊娠初期の対象者を得ることができている。 出産し、一か月健診まで終了した対象者はA施設15名、B施設23名、計38名である。 母乳成分分析に関しては、母乳成分分析器を持つ施設の協力を得ることができ、2019年の1月より母乳成分分析が開始となった。母乳運搬に関しては、病院検査部の協力を得て実施している。 今回、ここまでの妊娠初期のデータが揃っている99名分をまとめ、来年のICM(国際助産師連盟)学会で発表するための抄録を作成したところである。日本女性の妊娠初期の栄養摂取量の低さ、推奨量に満たない栄養素が多いことが浮き彫りになった。同時に、つわりのため栄養摂取量が減っていても、ナトリウムと塩分摂取量は推奨量を越えているという事実を知ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
病棟移転のため、遅れていた施設が7月から参加者を募集すると、対象のほとんどが協力してくれ、予測以上に対象者の確保が進んだこと、遠方の施設では師長が中心となり、全面的な研究を得られたこと。さらに、母乳成分分析に関してようやく協力を得ることができ、順調に母乳検体を運搬できていることが挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後も栄養調査を含むアンケートの回収と、出産後の産褥期と一か月健診時の母乳採取を継続して行っていく予定である。加えて、次年度の学会発表に向けて、データをそろえ、妊娠初期・中期・後期にかけての栄養摂取量の傾向、EPDSやPAI(胎児愛着)の得点の変化を見ていく。母乳成分結果が出たところで、妊娠期の栄養摂取量との関連を探求していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者の執行が予定より少なかったため。
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