研究課題/領域番号 |
17K12325
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研究機関 | 一宮研伸大学 |
研究代表者 |
田辺 圭子 一宮研伸大学, 看護学部, 教授 (40508959)
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研究分担者 |
玉腰 浩司 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (30262900)
室月 淳 東北大学, 医学系研究科, 客員教授 (50239555)
高橋 由紀 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (80346478)
谷 純子 一宮研伸大学, 看護学部, 講師 (80554584)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 妊娠期 / BDHQ / DOHaD / 栄養素等摂取状況 |
研究実績の概要 |
妊娠期の栄養は母体の健康を維持し,胎児を健やかに育てるために必要不可欠であり,この時期の胎内環境がのちの疾病や健康を決めるといっても過言ではない。特に,妊娠初期の栄養は正常な胎児発育において重要な役割を担っており,次世代の長期にわたる健康に寄与する。本研究は,成人病胎児期起源説の観点から,胎児期から新生児期にかけての栄養調査を実施した。昨年度,データ収集を終え,助産学会等で発表した。 今年度も妊娠期の栄養を主として,つわりの影響の有無による比較(第61日本母性衛生学会学術集会「つわりの有無による妊娠期の女性の栄養摂取と食生活習慣」),BMI3群での比較(同学術集会「体型別にみる妊娠期の女性の栄養摂取と食生活習慣」)を発表した(ただし,コロナ禍のためオンライン)。現在,つわりの影響として発表したものを「つわりの程度にみる日本人女性の妊娠初期の栄養素等摂取状況」として母性衛生誌に投稿したところである。今回の解析より,本研究対象者はつわりの程度にかかわらず妊娠初期の食事摂取基準を充たしていない栄養素が多いことがわかった。そのため,妊娠初期の栄養指導は,つわりの影響に配慮しつつも次世代の健康に影響することを念頭に,従来からの栄養指導を見直し,妊娠初期から十分な栄養素等の摂取を促していく栄養指導への転換が必要であると考えられた。 また,2020年度,延期となったICM学会が今年度はバーチャルによる開催が決定した。一昨年採択されたポスター発表(「Association between nutrition status and morning sickness in Japanese pregnant women」)がようやく実現することなり,再解析し,ポスターを作成している。 今後、体型別による比較を論文化していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データセットが完了し,現在、一部の分析が進み,学会発表や論文投稿が可能となっているため。ただし,まだ妊娠期の栄養も食品群までの詳細な解析に至っていないこと,妊娠経過や分娩経過との関連まで進んでいないため,おおむね順調と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
現在,ようやく,妊娠初期の特徴がつかめてきたところである。これから,妊娠食・中期・末期,産褥期とどのように栄養素等摂取状況が変化していくのか,体型別にみた場合の特徴など把握していきたい。本研究の目的は、胎内環境や母乳成分への妊娠期の栄養がどのように関連するのか,さらに,それらを踏まえて妊娠期の適切な栄養指導を考えることである。妊娠期はこれまでの食事内容や食生活行動を見直すきっかけとなる時期である。低栄養による母児の低体重化を予防することは、世代間連鎖を断ち切るだけでなく、成人期までの望ましい食生活習慣獲得に寄与すると考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者の予算執行が遅れているため。この理由として,コロナ禍のため国際学会に出張できなくなったことや,分担者の一人は病休のため現在休職中であり執行が滞っている。この件に関しては,対処する予定である。
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