研究課題/領域番号 |
17K12326
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
泉川 孝子 摂南大学, 看護学部, 教授 (80413243)
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研究分担者 |
真野 祥子 摂南大学, 看護学部, 准教授 (90347625)
天田 城介 中央大学, 文学部, 教授 (70328988)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | DV被害者支援 / 看護職 |
研究実績の概要 |
2017年度における研究計画の先行研究として、前研究課題における①看護者が抱えるDV被害者の対応における困難さの検討(実態調査後、B総合病院)について、2014年度(平成26年)に収集したデータを検討し、「関西地区都市部の医療機関における看護職のDV被害者との遭遇と支援状況を第32回日本助産学会学術集会で、示説発表(口頭有)をおこなった。発表内容は、次の通りである。研究期間は2014年10~11月で、DV被害者との遭遇者(関西地区の医療機関所属の看護師・助産師)を対象とした。調査は対象10名に研究者2名がインタビューガイドから半構成的にグループインタビューを2回(各90分)実施した。特に【被害者との遭遇事例】では《病棟:見舞い中の交際男性から若い女性入院患者への暴力》、《整形外科外来:夫の暴力により離婚を検討中の子連れ女性》、《病棟:離婚した元夫(キーパーソン)から入院女性への暴力》、《外来:若い未婚女性によるパートナーからのDV被害申告に観察記録を残す》、《産科外来・病棟:妊娠中に義両親に紹介された風俗の仕事、出産後は乳児院に子を預けて復職》、《産科外来:内診室に同行する夫。妊婦からのDV被害申告で相談機関へ》のサブカテゴリーが抽出された。看護職は医療行為を伴う介入は行いやすいが、主観的なDV判断となると、対応の困難感から介入を躊躇する傾向がある。さらに看護職のDV被害者との遭遇機会は多岐にわたる。所属問わず対象層を広げたDV研修やDV被害者支援システムの整備等で、DVの啓蒙と対応の困難感減少に向けた取組みが必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2017年度の計画としては、看護職が抱えるDV被害者への対応における困難さの検討①看護職のDV被害者の遭遇とその対応の実態調査(実施・評価対象となるB総合病院)②看護者が抱えるDV被害者の対応における困難さの検討(実態調査後、B総合病院)であった。また、前回は医療機関を中心とした調査、介入であったが、今回は、前研究課題にも対応し地域においてDV被害者の支援に関わっている他職種の参加を含めて、DV被害者支援へのプロジェクトチームづくりをふまえて対象者(協力者)を募りたいため、そのフィールドに出向く時間調整がつかなかったことで、DV被害者支援の早期発見及び支援のための教育プログラム導入の施設への調整に影響があった。しかし前研究課題のデータを再検討でき、フィールドとして助産院を開設している助産師の研究協力等への情報収集は行えた。
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今後の研究の推進方策 |
2017年度は、研究活動としては情報収集や研究フィールドとの交渉が主となった。しかし前研究課題であった、2014年度のB総合病院における看護職のDV被害者の遭遇とその対応の実態調査と及び看護職のDV被害者の対応における困難さの検討の研究結果が再検討できた。その成果をもとに、2018年度は、看護職及び地域におけるDV被害者支援者の参加も含めてプロジェクトチームと協働し、B総合病院における看護職のための早期発見及び予防のアクションプランの実施(2ヶ月)について検討する。 その準備としてB総合病院看護職とDV被害者支援者の参加によるプロジェクトチームの結成を視野に入れるため、今後は、地域においてDV被害者に支援に関わっている他職種に研究目的を説明し参加を募って、DV被害者支援プロジェクトチームづくりを開始する。特に地域に根ざす助産院の助産師の参加を募っており協力が得られる見込みである。加えて、2017年度の計画において、対象となっていたB医療機関の変更も含めて検討し2018年度計画に組み入れて計画する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2017年度の計画として、看護職が抱えるDV被害者への対応における困難さの検討①看護職のDV被害者の遭遇とその対応の実態調査(実施・評価対象となるB総合病院)②看護者が抱えるDV被害者の対応における困難さの検討(実態調査後、B総合病院)であった。しかし研究代表者の日常業務の煩雑化により、研究フィールドである医療機関や地域における支援者との交渉が整わず、研究の進行が遅延たため、旅費、人件費・謝金、その他においての支出額が未使用となった。しかし前回の研究課題から、収集していたデータの整理を行い再分析し検討できたので次回につながる成果が得られ学会発表に関する支出はあった。また今回の研究に関わる情報収集については、ほぼ予定に近い支出となった。現在、地域においてDV被害者の支援に関わっている他職種に研究目的を説明し、参加協力を募りDV被害者支援プロジェクトチームづくりとして、特に地域に根ざす助産院の助産師に研究目的の説明し参加を募っている状況である。加えて、2017年度の計画において、対象の変更も視野に入れ2018年度計画に組み入れて研究費の使用について計画する。
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