研究課題/領域番号 |
17K12329
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研究機関 | 姫路大学 |
研究代表者 |
菅野 夏子 姫路大学, 看護学部, 教授 (90293290)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 家族看護 / 育児 / 介護 / ダブルケア / sandwich generation |
研究実績の概要 |
今年度は、調査の前段階として、①日本ならびに諸外国での先行文献からの概念枠組みの定義(本研究におけるダブルケアの定義)、②調査項目の精査、③各関係機関からの対象者選定等の研究実施のための研究フィールドの決定と状況確認 を実施した。 ①の先行文献からの分析では、日本における研究では「ダブルケア」の名称を用いているが、海外では「sandwich generation」の名称を用いていること、主観的健康観やストレスとの関連を見た調査結果等の報告等量的研究の調査が主であった。 また、③については、人口3万~7万人の市や社会福祉協議会、地域包括支援センターに依頼し、対象者選定と、対象者の概要を調査した。1つの市での地域包括支援センター把握事例では、調査対象者は1市10名程度であったため、対象者が少なくなる可能性が考えられた。そのため、調査対象となる市や訪問看護ステーション等を当初予定より数を増やし、対象者選定を行うため、調査依頼箇所を依頼する予定である。調査対象者は小中学生の子育てを行っている人がほとんどであり、乳幼児の子育てを行っている者は現在のところ、いない状況である。そのため、我が国での先行研究では乳幼児の子育てと介護の実施を「ダブルケア」としているものが多かったが、本研究では、諸外国で行われている研究対象者と同様、18歳未満の子育てを実施している人を調査対象者とし、諸外国で行われている研究と類似した対象者での調査を実施することとした。また、調査票の作成のため、文献検討を行い、調査項目の精錬を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査対象者が確保できず、複数の市や地域包括支援センター、訪問看護ステーションへ研究のお願いと依頼を行ったため、時間を要した。 また、大学における倫理審査会の開催日が限られるため、倫理委審査を受けられる機会が得られず、聞き取り調査開始時期が遅れてしまったためである。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は大学における倫理審査が受理された後、聞き取り調査を開始し、データ分析を行う。また、各関係機関よりこのようなダブルケア実施者に対する実際の支援内容やサービス内容、行政機関での今後の対策等を聞き取り、支援体制プログラムの素案を作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度調査が開始されなかったため、調査実施に生じる旅費が発生しなかったこと、データ入力を依頼しようと思っていた人件費が発生しなかったため、使用額が予定額より少なくなった。そのため、調査経費等の予算を来年度以降に繰り越し、調査を実施する予定である。
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