研究課題/領域番号 |
17K12329
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研究機関 | 姫路大学 |
研究代表者 |
菅野 夏子 姫路大学, 看護学部, 教授 (90293290)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 育児 / 介護 / 中高年 |
研究実績の概要 |
子育てと介護を同時に行っている(ダブルケア)中高年の健康問題ならびにケア負担状況を明らかにし、負担軽減のための介入方法を検討することである。本研究では、①子育てと介護を同時に実施している(ダブルケア)中高年の健康問題ならびにケア負担状況を質的研究方法を用いて明らかにする。②子育てと介護を同時に実施している(ダブルケア)中高年のニーズを質的に明らかにし、具体的な負担軽減のための「対象者チェックリスト案」「サービス案」「支援プログラム案」を作成する目的である。 今年度は、昨年に引き先行研究による文献レビューの論文作成と、対象者の聞き取り調査を実施した。 文献レビューでは、2014年~2019年の過去5年間における国内外の「ダブルケア」「Sandwich generation」の文献全9件を分析した結果、①「ダブルケア」の研究は国内のみ実施されており、未就学児の育児と介護を実施するものと、未就学児の育児と障害児の介護をするものとが含まれていた。一方海外の研究では、障害児の育児や介護は含まれず、子供と親に限定されていた。②国内の研究は実態調査が主であったが、海外での研究は教育プログラムの開発や、ストレスコーピングの方法等のプログラム開発が主流であった。また、令和2年4月の段階で5事例の聞き取り調査を実施した。現在インタビューの逐語録を作成を行っている。令和2年3月以降インタビュー回数を増やす予定であったが、新型コロナウイルス感染症の蔓延により、調査依頼、対面でのインタビューができない状況であった。外出が解除になり、自粛が解除となった以降、インタビューを実施し、データを分析し、健康問題、ケア負担状況、ニーズを明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和2年1月以降、インフルエンザ等の感染症ならびに新型コロナウイルスの蔓延による対面での調査が難しい状況となった。その後、3月には外出自粛となり、新型コロナウイルス感染者の増加、病院での院内感染でのクラスター発生、高齢者施設での感染者の増加ならびに死亡者の発生から、面接を拒否される事態となった。6月においても外出自粛の状態が続いていることから、面接調査の実施が遅れている状態である。リモート等の使用による面接も考えられるが、調査対象者が初対面であることや、リモートによる音声の途切れなどから、スムーズな面接や長時間の面接が難しい状況である。そのため、対象者の本心や思いの表出が難しいことが考えられる。対策として、調査員を増やし、できる限り対面でのインタビューを実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
外出の自粛が緩和された状況をみて、面接調査を引き続き実施する予定である。対象者を増やすためにも、複数の介護施設や訪問看護ステーション、地域包括支援センターに依頼し、対象者の選定を行う予定である。また、研究分担者を増やした。それにより、インタビュー調査を複数人で実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた研究対象者すべての調査が終了していないこと、また、研究結果の発表等を令和2年度実施することから、調査経費等の予算を繰り越した。
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