研究課題/領域番号 |
17K12331
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研究機関 | 姫路大学 |
研究代表者 |
山中 絵美 姫路大学, 看護学部, 講師 (50795820)
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研究分担者 |
富岡 美佳 姫路大学, 看護学部, 教授 (30441398)
高木 二郎 山陽学園大学, 看護学研究科, 教授 (50384847)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | マタニティハラスメント / 就労妊婦 / 尺度開発 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,就労妊婦を対象としたマタニティハラスメントの評価尺度の開発であった。 2020年度は,2019年度に修正したマタニティハラスメント尺度を使用して予備的調査を行った。就労女性のマタニティハラスメントに関する新聞記事調査(2016)で明らかにした【雇用に関する不当な扱い】【リプロダクティブ・ヘルス/ライツの侵害】【働きにくい環境】のマタニティハラスメントの3概念を基盤に,「マタニティハラスメント尺度」53項目の質問群を考案し,質問紙を作成した。研究代表者と研究分担者で内容妥当性について討論を行った上で,就労妊婦経験者から意見や感想を聞き,妥当性を確認した。所属先の研究倫理委員会の承認を得た後,2020年8月~10月に就労妊婦50名を対象とした調査を実施し,質問項目の基準関連妥当性,構成概念妥当性等を検討し,項目の精錬を行った。分析の結果,回答の分布に大きな偏りがみられた10項目,異質な項目12項目,同質性の高い項目6項目を削除し,最終的に25項目となった。この25項目のマタニティハラスメント尺度と「Negative Acts Questionnaire-Revised(NAQ-R)日本語版」は相関しており,基準関連妥当性が支持された。さらに,「精神的健康度(K6日本語版)」および「職場環境,職務内容,給与に関する満足感測定尺度」との相関も確認され,構成概念妥当性が支持された。また,25項目全体の内的整合性も支持された。 予備的調査で最終的に選択された25項目のマタニティハラスメント尺度は,内的整合性および内容妥当性を確保しているという成果が得られた。さらなる調査を重ね,尺度の信頼性および妥当性を確立する。加えて,就労女性を支えるパートナーへのハラスメントについて学会発表行い,マタニティハラスメントに比べ育児期に特化し顕在化しにくい特徴が明らかとなった。
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