研究成果の概要 |
妊娠期に1対1の助産ケアを受けた女性10名と女性を支援した助産師10名を対象に半構造化面接,質的分析を行い,妊娠期セルフケア・アセスメントツールの開発・評価を行った.妊娠期セルフケアは,身体面の【妊娠期の身体づくり】【母児を育む栄養】【母乳育児の備え】,心理社会面の【お任せにしない私のお産】【児への愛着】【1対1の助産ケアがもたらす時間と空間】【妊娠生活を楽しむ心の余裕】の7カテゴリー・32項目を抽出,内容の妥当性・表現・項目数の適切性について検証後30項目とした. 妊婦30名に対するパイロットスタディ,同453名に本調査実施, 因子分析等の信頼性検証後, 26項目を尺度として開発した.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心理社会的ケアは,身体的ケアを支える土台ともなり,精神の安定が,更なる健康行動の促進に繋がる要因であると考えられた.妊娠初期より心身のセルフケアを促す視点は, 安心感や心地良い環境を提供,助産師の専門的知識の提供, 妊婦を受容し一緒に頑張る伴奏者としての姿勢を継続的に示し, 妊婦の主体的な行動・意識を測定するものである. 妊娠期セルフケア・アセスメントツールは, 妊婦が主体となって医療提供者と共に取り組むことで, 良いお産の支援者である助産師の視点も反映され, 可視化した本尺度により,その活用が高い出産満足度や育児の自信,さらに育児不安やストレスの軽減につながる可能性がある.
|