研究課題/領域番号 |
17K12352
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
今野 美紀 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (00264531)
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研究分担者 |
浅利 剛史 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教 (40586484)
田畑 久江 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (60323408)
三瀬 敬治 札幌医科大学, 医療人育成センター, 講師 (30200025)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 喫煙防止教育 / 児童 / 生徒 / 保護者 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、保護者と協力して児童・生徒に行う効果的な喫煙防止教育方法を開発することである。このために以下の3点に取り組む。(1)「保護者と協力して児童・生徒に行う喫煙防止教育」に対する教諭の認識を明らかにする、(2)「保護者と協力して児童・生徒に行う喫煙防止教育」を行ったことにより、児童・生徒の喫煙に対する認識の変化を明らかにする、(3)「保護者と協力して児童・生徒に行う喫煙防止教育」を行ったことにより、保護者の喫煙に対する認識の変化を明らかにする。 平成29年度は上記(1)に取り組んだ。すなわち、小・中学校の教諭を対象に認識調査を行った。調査方法は、無記名自記式質問紙調査であり、対象は学校長より紹介された喫煙防止教育に携わっている教諭1名であった。調査内容は、対象の属性(教諭歴、喫煙歴、職位)、喫煙防止教育の実態、保護者との協力の実態、自由意見、研究者らが行う喫煙防止教育のモデル授業への参加を希望するか否かを問う内容であった。調査時期は2018年3月であった。札幌市内にある公立の小中学校297校を対象に調査を行った所、33校(回収率11.1%)より回答を得た。 現在、データ解析中であるが、記述統計の結果概要を示す。喫煙防止教育の実施学年は、小学校6年生13校、中学校3年生10校、中学校1年生4校の順であった。教授する教員は、保健体育教諭14校、担任教諭13校、外部講師8校の順であった。学習教材・方法は、教科書使用25校、DVD9校、演習7校の順であった。教授内容は、本人への健康影響31校、主流煙・副流煙30校、有害成分28校、他人への健康影響27校、ニコチン依存症24校の順であった。授業に関して保護者と関わりがある学校は7校で、その内容は学級通信等を通じての報告であった。5校がモデル校への参加に関心を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査開始時期を2月下旬に予定していたが、3月上旬になったことにより、研究対象となる教諭の人事異動の時期と重なり、調査票の回収率の低さにつながったと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、平成29年度に得たデータの解析を行い、結果を研究者らが所属する学会等で報告する。平成29年度の研究成果も踏まえ、児童・生徒に行う喫煙防止活動の教授方法、及び評価方法を明瞭にする。 教授方法は、授業とフォローアップ教育を考えている。授業はこれまで研究者らが児童・生徒に実施してきた講義、演習、ビデオ視聴、模型展示をベースとし、教授内容はタバコの健康影響のみならず、依存症の仕組み、タバコと集中度との関連、タバコ勧誘への対処などに、平成29年度調査の自由意見等も参考に組み立てる。フォローアップ教育は、授業後、児童・生徒が保護者に喫煙防止授業で学習した内容を保護者に話してもらい、家庭内でタバコについて考えてもらう事をさす。この活動が円滑に進むよう、授業直後に、授業内容をサマリーしたリーフレット1と保護者向けの情報をまとめたリーフレット2を児童・生徒を介して保護者に渡る様にする。このリーフレットに含める情報を検討する。 教授方法の評価は、自記式質問紙調査によって児童・生徒及び保護者に実施する。実際に、リーフレットや質問紙調査をきっかけに親子でタバコに関する話し合いがあったのか、認識に変化があったのかを問える内容を検討する。調査に際しては、札幌医科大学倫理委員会の承認を得て実施する。実施時期は、児童・生徒に対しては授業直前・直後・1か月後の3回、保護者に対しては授業前、1か月後の2回を想定する。 平成30年度は、モデル校のうち、2校にプレテストを行い、教授活動、評価の課題を明瞭にする。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由は3点、考えられた。 (1)人件費が少なかった。データ収集時期が3月であり、年度末となり、データ整理、入力作業の一部が年度あけになった。(2)3月に出張を予定していたが、出張を取りやめる事案が生じた為、旅費を使わなかった。(3)印刷代が予想した金額より安かった。 平成30年度は2種類のリーフレット教材を作成するため、その教材費に平成29年度未使用分を充当していく。
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