研究課題/領域番号 |
17K12353
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研究機関 | 千葉県立保健医療大学 |
研究代表者 |
北川 良子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (80555342)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 助産師 / キャリア発達 / CLoCMiP |
研究実績の概要 |
本研究ではCLoCMiPレベルⅢの審査を受ける前の助産実践能力習熟途上にある若手助産師のキャリア発達におけるニーズを明らかにし,CLoCMiP レベルⅢ取得前の若手助産師が自らのキャリア発達を主体的に展開できるように支援する「助産師キャリア支援プログラム」の開発と検証が本研究の目的である。 平成29年度は【研究Ⅰ】はCLoCMiPレベルⅢ取得前の若手助産師が自らのキャリア発達を主体的に展開できるように支援する「助産師キャリア支援プログラム」開発の現状と課題を明確にすることである。先行研究を検討したところ,今後CLoCMiPレベルⅢに向かう新人期を終えたCLoCMiPレベルⅠ~Ⅱにある若手助産師のキャリアに関する報告は皆無であり,どのようなニーズがあるのかは不明であった。 そこで平成30年度は【研究Ⅱ】着手した。【研究Ⅱ】はCLoCMiPレベルⅢ審査前の若手助産師のキャリア発達に関するニーズの聞き取り調査である。助産師経験2年目以上のCLoCMiPレベルⅢ審査前にある助産師を対象に面接ガイドを用いた半構成的面接を実施した。。助産師経験年数等のデモグラフィックデータ,今までに受けてきた現任教育の内容とその評価,CLoCMiPレベルⅢに関する認識と今後の予定,将来の助産師のキャリア,キャリアを発達させるために行っていること,キャリア発達のために考えていること,受けたいキャリア支援についてデータ収集した。キャリアに関するニーズは個人差が非常に大きいこと,また個人のキャリアに関する認識は施設のサポートや身近にいる先輩助産師の状況に左右されること,個人のライフイベントに左右されること,等の傾向があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究Ⅱの面接データが豊かであり,分析に時間を要している。また所属機関において教員の欠員が生じ,教育の負担が当初の予定よりも多くなったため研究活動の時間確保に困難が生じている。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度も授業負担は変わらないが,『研究Ⅱ】の研究成果をまとめこれをもとに【研究Ⅲ】に着手する予定である。 引き続き【研究Ⅱ】の分析を行う。逐語録から対象者の「CLoCMiPレベルⅢに関する認識と今後の予定」「今までに受けてきた現任教育の内容とその評価」「望む助産師のキャリア」「キャリアを発達させるために行っていること」「キャリア発達のために考えていること」「望むキャリア支援」関連する文脈を抽出し,要約・カテゴリー化する。【研究Ⅱ】の結果を踏まえ、【研究Ⅲ】に今後着手する。 【研究Ⅲ】はCLoCMiPレベルⅢ審査前の若手助産師の現状とキャリア発達のニーズの抽出である。全国の産科を標榜する病院に勤務する助産師経験2年目以上のCLoCMiPレベルⅢ審査前にある助産師2000名程度に質問紙調査を実施する。質問紙調査は【研究Ⅱ】の結果を踏まえCLoCMiPレベルⅢ審査前の若手助産師の現状とキャリア発達のニーズに関する内容とする。デモグラフィックデータは助産師経験年数等,助産実践の状況(分娩介助,妊婦健康診査,新生児健康診査,産褥期健康診査の経験例数),研修の参加状況(NCPR,CTG,出血時の対応,フィジカルアセスメント,助産師および後輩教育,倫理,学術集会への参加および演題発表等)を調査する。キャリア発達のニーズは「今までに受けてきた現任教育の内容とその評価」,「CLoCMiPレベルⅢに関する認識と今後の予定」,「将来の助産師のキャリア」,「キャリアを発達させるために行っていること」,「キャリア発達のために今後行っていきたいこと」,「受けたいキャリア支援」に関する調査項目とキャリアアンカー(Schein. E. H,金井 訳 2012),助産師の職業的アイデンティティ尺度(佐藤,2011)とする。分析方法は統計学的手法を用いて行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究Ⅲに着手できなかった分の余剰が生じている。翌年度に繰り越して当初の計画通りに執行する。
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