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2019 年度 実施状況報告書

大学の子育て広場を活用した妊娠期から育児期までの継続支援教育プログラムの作成

研究課題

研究課題/領域番号 17K12356
研究機関愛知県立大学

研究代表者

神谷 摂子  愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (70381910)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード子育て支援 / 継続支援 / 助産師教育 / 子育てひろば
研究実績の概要

本研究の目的は、本学で行っている子育て広場に、妊娠期から育児期までの継続した支援事業を企画し、その事業に助産師教育内容を組み込み実施・評価することである。
日本の子育て支援の現状と比較するために、2019年3月に①フィンランドにおけるネウボラおよびネウボラ関連施設の現地調査を行った。各施設担当者およびネウボラを利用する母親から得られたインタビューデータを分析し、フィンランドにおける子育て支援に関わる専門職の役割を明らかにした。その結果の一部を2019年度の関連学会の学術集会にて発表した。また、日本での産後の支援を検討するために、日本の産後の現状を明らかにする必要があり、②母親が感じる妊娠期から育児期までの困難と求める支援を明確化するための研究を行った。2018年度の調査で得られたデータを分析し、母親の産後の困難内容と実際に活用した支援、産後の母親が求める支援等についての実態を明らかにし、①と同様に関連学会の学術集会で発表した。
出産施設退院後に産後の母親と関わる機会が多く、産後の状況がよくわかっている開業助産師を対象に、③助産師の立場から産後に必要な支援に関するインタビューを実施し、データ収集を終了した。また当初の計画より時期を早めて実施を開始した④昭和前半期に活動した助産師の支援に関する研究については、対象者へのインタビューを開始したものの、新型コロナウイルスの影響で対象者が高齢者であることから、一時インタビューを見合わせている状態である。
以上の研究を進めるとともに、2020年度に⑤本学の子育て広場における継続した子育て支援事業の実施について関連施設と連携し、企画内容について研究協力者とともに準備を進めてきた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

子育て支援事業を企画する前段階までの研究はおおよそ終了し、妊娠期から育児期の継続支援事業の企画案を作成するところまでは進めてきたものの、2019年度末より新型コロナウイルスの影響で、次年度に開催を計画していた子育て支援事業の対象者を募集するには至らず、また子育て支援事業を行う場についても開催が難しい状況となっている。
さらに、昭和前半期に活動した助産師への研究について、インタビューを開始したものの、対象者が高齢者であることから、インタビューを一時見合わせており、目標とする対象者の人数には満たない状況となっている。

今後の研究の推進方策

①フィンランドにおけるネウボラおよびネウボラ関連施設の担当者、ネウボラを利用する母親からのインタビュー、②母親が感じる妊娠期から育児期までの困難と求める支援を明確化するための研究は、今後、関連学会へ投稿論文として公表できるように準備をする。③助産師の立場から産後に必要な支援に関する研究については、インタビューデータの分析を行い関連学会の学術集会で結果の公表をする。また、④昭和前半期に活動した助産師へのインタビューは、新型コロナウイルスの状況をみながら対象者へのインタビューを再開し、目標とする対象者数を目指す。
⑤本学の子育て広場での継続した子育て支援事業の実施についても、同様にコロナウイルスの感染状況をみて進める予定ではあるが、年度途中からの開催は難しいと判断し、2021年度に子育て広場の開催が可能であれば進めていく予定である。
子育て支援事業に助産師教育を組み込む前に行う予定であった、助産師教育機関への産後の地域母子保健に関する教育についての調査は、看護基礎教育検討会の報告によると、2022年度より助産師教育において教育内容が変更される可能性があり、特に産後4か月程度までの母子のアセスメントを行う能力の強化をするための地域母子保健の教育内容を充実させることがポイントとして挙げられているため、各助産師養成機関がちょうど転換期であることから、調査の時期を検討している。全国助産師教育協議会総会にて情報収集をする予定であったが、総会の開催が中止となり情報が得られにくい状態であるため、今後開催される予定の学会や研修会等で情報収集をし、調査の必要性と時期を検討していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

予定していたインタビューが実施できなかったことによるインタビューのための旅費、データのテープ起こし代と、参加予定であった研修会が開催中止となり、旅費や参加費に使用されなかったことが理由と考える。翌年度分として、インタビューの旅費およびテープ起こし代金として使用することを予定している。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] フィンランド・タンペレ市におけるネウボラの取り組み2019

    • 著者名/発表者名
      山本知里,岡田由香,神谷摂子,勝村友紀
    • 雑誌名

      愛知母性衛生学会誌

      巻: 37 ページ: 28~33

    • 査読あり
  • [雑誌論文] フィンランドのネウボラにおけるオープンダイアローグ2019

    • 著者名/発表者名
      久保幸代,下睦子,神谷摂子,岡田由香,勝村友紀,山本知里
    • 雑誌名

      助産師

      巻: Vol 73 ページ: 35~36

  • [学会発表] 子育て中の母親が感じる出産施設退院後から出産後1年までの困りごとと求める支援2020

    • 著者名/発表者名
      神谷摂子
    • 学会等名
      第34回日本助産学会学術集会
  • [学会発表] フィンランドのネウボラ関連施設による育児支援の取り組みと施設の連携2020

    • 著者名/発表者名
      神谷摂子,勝村友紀,久保幸代,下睦子,岡田由香,山本知里
    • 学会等名
      第34回日本助産学会学術集会
  • [学会発表] フィンランドの子育て中の母親の実情-子育てひろばを利用する母親のグループインタビューより-2020

    • 著者名/発表者名
      神谷摂子,勝村友紀,久保幸代,下睦子,岡田由香,山本知里
    • 学会等名
      第34回日本助産学会学術集会
  • [学会発表] フィンランド「ネウボラ」の都市部と郊外の比較検討2020

    • 著者名/発表者名
      勝村友紀,神谷摂子,久保幸代,下睦子,岡田由香,山本知里
    • 学会等名
      第34回日本助産学会学術集会
  • [学会発表] フィンランド・タンペレ市におけるネウボラの取り組み2019

    • 著者名/発表者名
      山本知里,岡田由香,勝村友紀,神谷摂子
    • 学会等名
      第37回愛知県母性衛生学会学術集会

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公開日: 2021-01-27  

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