研究課題/領域番号 |
17K12356
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
神谷 摂子 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (70381910)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 子育て支援 / 継続支援 / 助産師教育 / 子育てひろば / 産後ケア |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、本学で行っている子育て広場において、妊娠期から育児期までの継続した子育て支援事業を企画し、その事業に助産師教育内容を組み込み、実施・評価することである。2018年度に実施した、母親が感じる妊娠期から育児期までの困難内容と実際に活用した支援および求める支援の実態(研究②)については、結果の一部を論文投稿し採択された。また、開業助産師を対象とした、助産師の立場からの産後ケアに関するインタビュー調査(研究③)はデータ収集および分析が終了し、2021年度に開催される関連学会にて発表予定である。 実際の子育て広場での子育て支援事業の企画について、2020年度に本学の子育て広場における継続した子育て支援事業の実施(研究⑤)に向け関連施設と連携し、企画内容について準備を進めてきたが、新型コロナウイルス感染拡大のため、子育て広場が開催できず、継続した子育て支援事業の実施はかなわなかった。しかし、子育て広場が開催できない中で、オンラインを活用した子育て支援の方策を見出し実績を積むことができた。そのため、今後、子育て支援における継続した子育て支援事業の実施方法の選択肢として、オンラインも活用することで、どのような状況下でも継続した支援が行える可能性を見出すことができた。 また、助産師教育においても、新型コロナウイルス感染拡大のため、家庭訪問等の対面での継続支援が難しい中、オンラインを活用した継続支援の方法を検討し実施することができた。さらに、助産師学生の集団指導教育実習におけるオンラインの活用など、今後の継続した支援教育プログラムの作成に向け、オンライン活用の可能性を見出し、教育プログラムの方法としての選択肢を拡大することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
継続した子育て支援事業を実施する前段階までの研究はおおむね終了しているものの、2019年度末より新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2020年度に開催を計画していた継続した子育て支援事業の対象者の募集や、子育て支援事業を行う場として予定していた本学の子育て広場の開催の見通しが立たない状況である。そのため、継続した子育て支援事業の企画を実施・評価する(研究⑤)ことが困難である。 さらに、昭和前半期に活動した助産師へのインタビュー(研究④)についても、当初は2021年度に予定していたが、予定より時期を繰り上げ2019年度に研究を開始したものの、対象者が高齢者であることから、現状では対面のインタビューは対象者の安全を考えると難しく、またオンラインでのインタビューも難しいことから、対象者を増やすことができずインタビューが進まない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
フィンランドにおけるネウボラおよびネウボラ関連施設の担当者、ネウボラを利用する母親へのインタビュー(研究①)、母親が感じる妊娠期から育児期までの困難内容と実際に活用した支援および求める支援の実態についての研究(研究②)、また、助産師の立場からの産後ケアに関する研究(研究③)については、2021年度の学会発表および投稿論文としての公表を目指す。昭和前半期に活動した助産師の研究(研究④)については、新型コロナウイルスの感染状況をみながら対象者数を増やす。本学の子育て広場における継続した子育て支援事業の実施(研究⑤)についても、感染拡大状況をみながら進めることになる。継続した子育て支援事業は、母親への効果を考えると対面での開催が希望ではあるが、オンラインでの実施も検討しながら2021年度後期以降に広場開催の目途が立った時点で、対象者を募っていきたい。 助産師教育機関への調査は、2022年よりカリキュラムが改正され母子保健に関する教育内容を充実させることがポイントとされていることから、当初の予定より、調査の必要性が少ないと判断し、実際に調査を行うのではなく、全国助産師教育協議会や関連学会での情報収集に変更を検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大のため、予定していた子育て広場が開催できず、継続した子育て支援事業が実施できなかったため、開催に必要な経費が発生しなかった。また予定していたインタビューも実施できなかったため、インタビューのための旅費、謝金、データのテープ起こし代が発生しなかった。さらに、参加予定であった学会や研修会がオンライン開催となり、旅費が発生しなかったことが次年度使用額が生じた理由である。翌年度分として、インタビューの旅費、謝金、データのテープ起こし代、継続した子育て支援事業の開催費用、学会発表のための旅費、論文投稿のための費用としての使用を予定している。
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