研究課題/領域番号 |
17K12366
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
田之頭 恵里 高知県立大学, 看護学部, 助教 (90758905)
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研究分担者 |
高谷 恭子 高知県立大学, 看護学部, 講師 (40508587)
中野 綾美 高知県立大学, 看護学部, 教授 (90172361)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 生体肝移植 / レジリエンス |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、学童期・思春期に生体肝移植を受けた子どものレジリエンスを高める看護実践ガイドラインを開発し評価することであり、平成29年度は、学童期に生体肝移植を受けた子どものレジリエンスの構造を明らかにすることを目標とした。 本調査では、学童期の子どもも研究協力者に含まれるため、子どもの権利を擁護したインタビューガイドの作成が必要であった。そのため、小児看護や臓器移植、レジリエンスに関する研究論文や専門書、研究者の先行研究などをもとに、小学校低学年用と小学校高学年用の2種類の半構造化インタビューガイドを作成した。それぞれのインタビューガイドは、プレテストを重ねて洗練化を行い完成させた。その後、所属機関の研究倫理審査委員会の承認を得る手続きを行い、研究の承認を得た。 インタビューガイドの作成と並行して、研究協力者へのアクセスについても検討を行った。学童期に生体肝移植を受けた子どもを研究協力者としているため、研究協力者へのアクセスを現実的に遂行することができる方法について、小児看護や臓器移植に関する専門家や経験豊かな実践家との情報交換を行い、アクセスの方法を検討した。今後、生体肝移植を受けた子どものフォローアップを行っている病院ならびに患者会に研究依頼を行い、研究協力者へのアクセスを行っていく。 その他、小児看護や臓器移植、レジリエンスに関する学術集会や事例検討会への参加、および文献検討を継続した。その中で、特に子どものリスクとレジリエンスに関連するものとして、[リスクの暴露量][物理的・心理的・社会的な回復への環境][学校などの人間関係やコミュニティ・システム][子どもの個別性]が重要であることが明らかになった。また、ポジティブな変化を促す介入として、[リスク][資源][適応システム]にアプローチすることが重要であることの示唆を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究協力者に学童期の子どもが含まれるため、子どもの発達段階を考慮し子どもの権利を擁護した半構造化インタビューガイドの作成が必要であった。インタビューガイドに含める内容の検討および、子どもの権利を擁護し発達段階を考慮した表現の工夫などの洗練化を行っていたため、インタビューガイドの作成に時間を要した。また、研究協力施設および研究協力者へのアクセスが難航しており、遅れている状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
H30年度は、研究協力者へのアクセスについて、患者会のみならず生体肝移植を受けた子どものフォローアップを行っている施設や新たな患者会に研究協力の依頼の手続きを行い、学童期に生体肝移植を受けた子どもへの本調査を行う。また、研究協力者へのアクセスと並行して、研究目標2のガイドラインの枠組み作成に向けて、子どもの臓器移植看護の経験がある看護師へのヒアリングを行い、個別インタビューについても手続きを進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度計画していた研究協力施設および研究協力者への研究依頼や、本調査が実施に至らなかったため、当初の計画よりも旅費の支出が少なくなり次年度使用額が生じた。 1.新たな研究協力施設や患者会への研究依頼や、本調査実施時に必要となる旅費が増額する見込みである。 2.目標2の本調査を実施するにあたり、研究協力者(看護師)への謝金等の使用が生じる。
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