研究課題/領域番号 |
17K12368
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
木浪 智佳子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 准教授 (40347183)
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研究分担者 |
三國 久美 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (50265097)
近藤 尚也 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助教 (80733576)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 重症心身障害児者 / 食事援助 / 相互作用 / 教育プログラム |
研究実績の概要 |
平成29年度は、前年度から活動していた重症心身障害児者と援助者間に相互作用をもたらすための食事援助に関する教育プログラムの効果を評価した。援助者12名に対して、教育プログラムの前後で評価を実施した。評価内容は、①食事援助の行為に関するチェックリスト28項目、②食事援助場面のビデオ撮影記録の分析、とした。①、②ともに教育プログラムの実施前、実施1ヶ月後、3ヶ月後の3時点で評価した。①は援助者自身が回答した結果を研究者が統計的に分析した。②の分析には、食事場面における母子相互作用を客観的に評価する尺度を用いた。なお、当該尺度を分析するためには、特定のトレーニングを受けた有資格者に限定されているため、本研究においてもビデオ記録の分析は有失格者2名が行った。 ①の分析の結果、教育プログラムを受けた援助の食事援助の行為は、教育プログラムを受けていない援助者に比べ、相互作用をもたらす主要な行為4つのうち3つの行為が取り入れられていた。また、②のビデオ記録の分析結果では、教育プログラムを受けた援助者の行為の変化として、重症児者の反応に応じて援助する行為の得点が、教育プログラムを受けていない援助者より高かった。 以上の分析結果を、学位論文としてまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年度の前半はデータ分析が主たる活動でとなり、後半はその結果を学位論文として仕上げる作業に費やしたため、新たな研究参加者の募集、教育プログラムを実施するフィールドの開拓には至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度の研究結果の成果発表。さらに研究結果を検討し、教育プログラムの精錬を行う。また、新たな研究フィールドを増やし、研究参加者を募りデータ数を増やしていく。評価方法についても、重症心身障害児者と援助者間の相互作用をより評価可能な方法も検討しながら、データ分析を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成30年6月~8月は、研究成果の発表準備(国内学会と学術雑誌への投稿)、さらなる研究活動に向けての検討(共同研究者との会議)を踏まえた研究計画、重症心身障害児施設への研究依頼と研究参加者の募集、を予定している。平成30年9月~12月は、学会発表、重症心身障害児者施設での教育プログラムの実施とデータ収集を予定している。平成31年1月~3月は、データ収集と整理および分析、学術雑誌への論文投稿を予定している。
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