研究課題/領域番号 |
17K12370
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
新井 陽子 北里大学, 看護学部, 准教授 (90453505)
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研究分担者 |
和智 志げみ 北里大学, 看護学部, 講師 (70410173)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 産後うつ / 予防的介入 / 保健師 / 助産師 / 両親学級 |
研究実績の概要 |
本邦において産後うつ病(Postnatal Depression ; PND)の母親は 9.0%(山縣,2013)と多く、2015年に健やか親子21(第2次)において、妊娠期から子育て期にわたるまでの支援が重要であることが掲げられた。妊娠期から産後うつ病の情報を提供しその対処スキルを身につけることが産後うつ病の予防につながることを先行研究で明らかにした(新井、2008)。研究者自身が地域両親学級を通じて実施した産後うつ病の予防的介入プログラムの効果を検証してきた。今後はこの両親学級が研究者以外の保健医療従事者が展開できることが必要と考えた。そこで、本研究の目的は、地域母子保健医療者が実施する「産後うつ病予防のための両親学級」が産後の母親の子育て及び産後うつ病の抑制に与える効果を検証する事が目的である。 平成29年度は、プログラムに参加する市町村のリクルートを行った。そのなかでA市保健師より、実施してみたいが状況がわからないため今年度は実施をしてほしいとの依頼を受け、研究者自身がA市の両親学級で産後うつ病予防のための両親学級を保健師とともに開催した。保健師は研究者とともに両親学級に参加し、ファシリテーターとして両親学級の意図することとその目的を理解できるように参加してもらうこととした。その結果、A市の常勤保健師2名、非常勤助産師1名が参加し、ファシリテートの仕方、講義の目的とすること、それにより参加した妊婦と夫の表情、言動の変化を気づくことができた。次年度の産後うつ病予防に向けた両親学級開催に向けて、研修プログラムの実施を計画した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度の、研究プロトコールは、第一段階として、1)研修プログラムへの参加者募集 2)研修プログラム実施 3)研修参加者から本研究の参加市町村の募集という手順で実施する予定であった。当初より参加する予定だった市役所の健師の要望で、両親学級を一緒に実施し、体験してもらうことから始めることとなった。そのため、研究プロトコールの順番の変更を余儀なくされた。予定していた研修プログラムの実施ができていないで今年度を終了することとなった。しかしながら、研修プログラムに参加希望していた保健師が両親学級に参加・体験することで両親学級の効果を感じることができ、さらなる動機づけになったと考える。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、研究プロトコールの第一段階として、今年度残っている研修プログラムを実施し、プログラム参加者による両親学級の開催と、調査を行う予定である。 平成30年度診療報酬の改定に伴い、周産期の妊産褥婦への継続支援を病医院でも実施することになった。 そのため、この研修プログラムに病院で働く助産師も参加したいとの連絡をもらっている、当初は地域母子保健医療者としていたが、病医院で働く助産師・看護師にも対象を広げて実施することに変更する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度、研修プログラムを開催しなかったため、旅費・人件費・謝金が発生しなかった。次年度は、県内及び関西地区で開催することが決定しているため、交通旅費及び人件費・謝金などに使用する予定である。
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