研究課題
本研究は、「がん患者を親に持つ子どものグリーフを支援する医療と地域の連携システムの構築」を目的とする。がん患者を親にもつ子どものグリーフを実践している医療者は、教育機関との連携について難しく捉えていること、および小学校中学校担任、養護教諭のがん患者を親にもつ子どもへのかかわりの現状、医療者や地域との連携についての思いが明らかになった。また、学童保育で子どもの支援をしている放課後児童支援員を対象に、がん患者を親にもつ子どもとのかかわり(グリーフケア)の実態を明らかにする目的で、研究者の所属機関の倫理委員会承認後、A市内の学童保育に調査依頼をした結果、がん患者を親にもつ子どもとの「かかわり経験がない」との回答が大部分を占めた。しかしその中で「かかわり経験あり」と回答があった3施設の学童支援員を対象に半構造化面接を実施した。さらに機縁法にて1施設の対象者を追加した。今年度は、対象者確保のため、募集期間を延長したが、確保がむずかしく、対象者数4名にて質的分析をした。その結果、がん等の患者を親にもつ子どもとのかかわりの中で放課後児童支援員が抱く難しさについて、病気の親を持つ子どもへのかかわり方がわからない」「親が病気になったときの子どもの反応(生活の様子)がわからない」「保護者への声のかけ方が分からない」「学校との連携は難しい」「学童保育そのものの難しさ」の5つのカテゴリーが抽出された。以上の結果を基に、研究者間で「子どものグリーフを支える医療と地域連携システム」案を作成し、緩和医療・がん看護・小児看護学等の専門家と検討しまとめる予定であったが、コロナ感染症拡大のため、研究の進捗状況が遅れたため、今後の課題としてすすめる予定である。
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