研究課題/領域番号 |
17K12377
|
研究機関 | 湘南医療大学 |
研究代表者 |
弓気田 美香 湘南医療大学, 保健医療学部看護学科, 助教 (80783399)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | アレルギー / 小児 / 小児アレルギーエデュケーター / 保護者支援 / QOL / 育児ストレス |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、小児アレルギー児及びその保護者への支援を専門とする小児アレルギーエデュケーター(以下PAE)の活動と、患児やその保護者のQOL、受診行動や服薬管理との関連、地域(保育所、学校など)との連携などとの関連を明らかにすることである。 PAEは、学会が一定の臨床経験と研修参加、試験等を経て認定している資格であり、現在300名あまりの看護師、管理栄養士、薬剤師が認定を受けて医療機関などで活動している。小児アレルギー疾患は、喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどの長期的管理が必要となる慢性疾患であり、患児または保護者が服薬や環境整備などの管理が求められ、治療への良好なアドヒアランス維持が課題となる。しかし、治療や社会的対処を継続することは、患児や保護者にとってストレスを高める要因となり、QOLの低下や適切な治療を継続することができなくなるなどの恐れがある。 本年度は予備調査として、認定こども園に所属する保育士の食物アレルギーに関する知識、技術の獲得状況や、研修会などへのニーズに関するベースライン調査を行い、その結果に基づき研修会を開催した。結果、誤配膳などでヒヤリとした体験を持つ保育士は33%であり、研修会への参加希望がある保育士は、55%で、1年以内に受講したいという希望が多かった。今後受けたい研修内容は、食物アレルギーに関する病態や緊急時の対応といった希望が多かった。 また、PAEの活動実態調査やその活動の効果についての調査を行うため、諸機関と連携して協力依頼を行った。さらに食物アレルギー児の母親の育児ストレスに関する論文執筆や、健常児の父親の育児参加と母親の育児ストレスや抑うつに関する調査結果を学会にて発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
PAEの活動状況調査、個別相談の研究参加者を募集するにあたり、対象者数を確保するため、PAEの活動状況と調査方法を小児アレルギー児にかかわる専門家と協議する必要があり、他機関と連携し、調整しながら研究計画を進めている。倫理審査委員会の承認を受けたのち、研究参加者を募り調査を開始する予定である。調査開始時期が若干遅れているが、研究参加者を確保するため、調整を早期に進めていく予定である。 予備調査での結果を分析し、学会発表の準備を進めている。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、PAEを対象とした質問紙調査を行い、活動内容や個別相談の実際を調査する。特にPAEが行う個別相談が、患児と保護者のQOLへの影響や、受診行動、服薬管理などに対する効果の有無を検証するためのデータ収集を行う予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、研究参加者謝金やデータ入力のための研究補助員への人件費が発生しておらず次年度使用する予定である。また質問紙作成のための費用も次年度使用する予定である。
|