研究課題/領域番号 |
17K12378
|
研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
坪川 麻樹子 新潟医療福祉大学, 看護学部, 講師 (10567431)
|
研究分担者 |
住吉 智子 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50293238)
松井 由美子 新潟医療福祉大学, 看護学部, 教授 (00460329)
岡崎 章 拓殖大学, 工学部, 教授 (40244975)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | てんかん / プレパレーション |
研究実績の概要 |
先行研究で作成をした手術前プレパレーションで使用する絵本の効果を検討することで研究を進めている。プレパレーションは1回の説明で済むものではなく,実際に関わる看護師が子どもの反応に合わせて行うものであり,チェック感覚で「プレパレーションが終わった」とすることには、疑問が呈されている。しかし,臨床ではプレパレーションは業務の一環で,実施後の評価が充分になされていない。プレパレーションの必要性については臨床でも十分周知されているため,適切な評価について着目をした。プレパレーションを受ける児に対する評価は, CHEOPSスコアやBOPSスコア,フェイススケールなど,痛みに関する尺度を主として使用し,看護師や保護者からの評価が行われている。この理由として,児の言語発達の途上により,適正な評価への疑問があること,不安・恐怖への対処の未熟さからの倫理的配慮が必要であり,児への評価に際し障壁があることが考えられる。しかし,認知発達の面からは,幼児期の記憶保持は約1週間程度とされ,知識の安定性が同じことを再生するときの安定性と結びついていることからも、間接的だけの評価ではなく、直接的な評価を得ることが必要と考える。 このことから,海外で使用されている術前不安尺度(mYPAS)を参考にした不安スケールを用い,看護師と保護者それぞれから見た児の客観的評価と,児自身の絵本の理解をインタビューにて確認すること,また児の気分をVASを用いて評価することとした。本学の倫理審査では承認され(承認番号:18165-190412),今後調査させていただく施設と調整を行っていく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
児の客観的評価をするための尺度等の文献検討の遅れ,調査協力施設との調整の遅れが主な理由である。今後は調査協力施設と調整を行っていき,研究協力を得ていく。
|
今後の研究の推進方策 |
今後,調査協力施設の了承を得てから,調査を実施していく。 研究参加者より,術前プレパレーションで筆者が先行研究をもとに作成した絵本と,普段から病棟で使用している方法とを選択していただく。プレパレーション後と術後に保護者・看護師から見た児の様子を不安スケールにて評価する。また児へのインタビューで絵本の内容の記憶を点数化,術後の気分についてVASツールを使用し測定してもらう。それらを量的に分析する。 児や保護者が安心して話すことができる環境を整え実施していくが,児の負担を表す反応(疲労や不安を疑う言動)や,保護者から見て負担になっている様子であると判断された場合は研究を中止する。また,児はインタビュー等で負担を感じていても,それを表現することが未熟であることも考えられる。調査については,病棟看護師・保護者と相談しながら進めていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
調査した内容を国際学会での発表を予定しているため,2019年度に使用することとしたため。
|