研究課題/領域番号 |
17K12385
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研究機関 | 畿央大学 |
研究代表者 |
中居 由美子 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (70642007)
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研究分担者 |
福本 貴彦 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (10412149)
山崎 尚美 (平木尚美) 畿央大学, 健康科学部, 教授 (10425093)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 乳房マッサージ / 乳管開通法 / 圧力 / 動作分析 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、熟練助産師の乳房マッサージの手技を、①圧力測定と動作分析を行い科学的に検証し特徴を客観視できるようにすること、②新人助産師や助産師学生が模倣できる教材モデルを開発することである。実験1では、乳房模型に対して熟練助産師5名と新人助産師5名が、指腹と手掌に左右8カ所づつ圧力センサー(Flexi Force 、ニッタ社)を付けて、乳房マッサージと乳管開通法時の指・手掌の圧力測定とDVDによる動作分析を行った。その結果、乳房マッサージ及び乳管開通法の圧力は、平均値、最大値、積分値、微分値で新人助産師と熟練助産師では有意な差は認めなかった。これはサンプル数10人と少ないこと、個人差が大きいことが要因と考えられる。動作分析では、乳管開通法の回数は、新人助産師では1秒間に平均約1回の速度で、熟練助産師は1秒間に平均2~3回の速度であった。熟練助産師の乳房マッサージ法は、複数の手技内容を認めるが、新人助産師は単調な動作で乳房ケアしていることが分かった。熟練助産師の乳管開通法や乳房マッサージは、早く弱い圧力で連続して行うなどの一定の特徴を認めることが分かった。実験1で使用した乳房模型は実際の授乳婦の乳房と比較すると硬いこと、手に圧力センサーを付けると力の方向が明確でないことが判明した。実験1の結果を踏まえて実験2では、圧力センサーを乳房モデルにつけて助産師の乳管開通法時と乳房ケア時の圧力測定と動作分析の実験をした。既に新人助産師と熟練助産師30名以上の協力を得て測定は終了しており今後は結果を分析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究計画では、2年目に教材作成に向けて実験する予定であったが、1年目で乳房モデルを作成し、乳房マッサージの圧力や動作分析の実験は、30名以上の助産師に対して終了しており計画よりも早く進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、作成した乳房モデルの実験結果を分析し、新人助産師や助産師学生が模倣できる教材としての価値を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画では、手掌の形に合わせた圧力シート(Sensor-4256E)の購入予定であったが、実験結果から乳房モデルに圧力センサーを付けて実験する内容に変更したため、物品費に差が生じた。実験結果の分析途中で人件費等は本年度は発生していない。
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