研究課題/領域番号 |
17K12386
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
西村 直子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (30548714)
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研究分担者 |
中新 美保子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (00319998) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 軟骨無形成症 / 乳幼児 |
研究実績の概要 |
軟骨無形成症児(者)は、乳幼児期に,運動や言語の発達の遅れがみられることから、早期介入の必要性がある。当該研究では、小児の、「発達」、養育者の育児負担、小児と養育者の「母子相互作用」の3要素を0~3歳の3時点のそれぞれの実態と推移を明らかにしていく。さらに、健全な発達を促進する要因を特定することで、多職種アプローチによる療育支援体制モデルを構築し、早期介入の示唆を得ることを目的としている。小児の発達評価指標について、養育者の要因の測定尺度について再度文献検討を行った。小児の発達については、国内外ともに、就学以前の軟骨無形成症児の発達評価についての報告はほとんどなかった。疾患特異性の発達評価指標もなかった。軟骨無形成症は、母親の妊娠中の超音波検査で指摘されることも多いため、出生後早期より、発達を評価し、多職種による発達へのアプローチが必要であると考えられるが、the Wee FIM IIを使用した論文が散見されるのみであった。養育者についても、軟骨無形成症児の保護者を対象とした論文で、ゴールドスタンダードとして使用されている育児負担を評価する尺度についての報告はなかった。以上のことから、軟骨無形成症を対象としている研究から、乳幼児期の発達の評価や、養育者の要因についての評価尺度を検討することは困難であり、慢性疾患を持つ小児、NCASTを使用した研究で使用された尺度を含め検討を行った。最終的に、小児では生活動作自立度(the Wee FIM Ⅱ)、乳幼児発達スケール(KIDS)、Denver発達評価スケール、養育者では日本版育児ストレスインデックス(PSI)、新版STAI(不安尺度)、日本版CES-D scale(抑うつ)、self-esteem尺度、ソーシャルサポート尺度を検討し、乳幼児発達スケール(KIDS)、日本版育児ストレスインデックス(PSI)を使用することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
正常児や他の疾患においてNCASTを使用した調査は多数報告されているが、軟骨無形成症を持つ乳幼児を対象とした調査は報告がない。当該研究は、 0~3歳までの、3年間で、0~1歳、1~2歳、2~3歳の3時点において縦断的に調査をする予定にしている。0歳児を対象とすることから、研究協力者への負担がないようなリクルート方法や、調査実施方法について、研究協力を依頼する施設との綿密な調整が必要であった。また、低年齢の小児を対象としていること、母子相互作用場面を正確にコーディングするためにビデオ撮影が奨励されているため、倫理審査に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
調査協力依頼施設と連絡を取り合いながら、本調査を行う段階に移行できる。再度、先行研究を検討し、小児看護の専門家とも話あい、調査項目を決定し、質問用紙の準備ができている。また、NCASTによる母子相互作用のコーディング実施についても乳幼児やNCASTの専門家と協力し、調査を行っていく予定である。第1研究である、第1時点での軟骨無形成症児の乳幼児期の「発達」、「養育者の要因」、児と養育者の「相互作用」の実際について明らかにしていく。順次、縦断調査へと移行していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)調査研究の開始準備、倫理審査に時間を要し、調査協力者への調査実施が次年度となったため (使用計画)平成30年度使用予定の患者家族会、当該研究に関連のある学会、研修の参加と合わせて、調査協力者への調査のための訪問に使用する。
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