研究課題/領域番号 |
17K12393
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研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
竹内 登美子 富山県立大学, その他部局等, 教授 (40248860)
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研究分担者 |
岡本 恵里 富山県立大学, その他部局等, 教授 (20307656)
小澤 和弘 岐阜県立看護大学, 看護学部, 准教授(移行) (20336639)
青柳 寿弥 富山県立大学, その他部局等, 助教 (40622816)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 認知症 / 家族介護者 / 多職種連携 / 教育プログラム / 教育効果 |
研究実績の概要 |
保健医療福祉の専門職者、及び認知症当事者らの参加による「認知症研修会・交流会」を開催し、多職種連携教育プログラムを検討するための基礎資料を得ることが、今年度の目的である。 方法:レビー小体型認知症サポートネットワーク富山の協力を得て、2017年度に4回の研修会(認知症に関する講演と質疑応答)及び交流会(グループ毎と全体)を開催し、終了後の理解度や満足度に関するアンケート結果を分析する。 倫理的配慮:アンケートは無記名とし、結果は学会等で公開すること、及びアンケートの記載及び回収箱への投函は自由意思であることを明記した。 結果:4回の研修会と交流会に参加した延べ数は82名であり、アンケートの回収率は71名(86.6%)であった。属性は看護師22名、家族介護者19名、介護支援専門員12名、介護福祉士9名、医師3名、行政関係者3名、保健師2名、その他13名(複数回答)であった。認知症当事者の方は3名参加されていたが、アンケートへの回答は見いだせなかった。研修会に参加する前と参加後の理解度の変化については、理解が進んだ48名(67.6%)、理解度の変化なし15名(21.1%)であった。グループでの話合いに満足あるいは大いに満足と回答した者は、51名(73.9%)であった。全体会に満足あるいは大いに満足と回答した者は、45名(65.2%)であった。自由記述では「医師の同席で薬など細かな話が聴けてよかった」「多職種の方の話を聴くことができて新鮮だった」「悩みを共有できた」等の記述が見られた。 考察:アンケート結果で見いだせた理解度の変化と満足度の高さから、本研修会と交流会は概ね効果的であったと考えられる。これらの結果は、多職種連携教育プログラムを開発していく際の一基準として活用できるものであり、開発時の内容充実に繋げていくことが今後の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年度の当初の目的は、認知症に関する多職種連携教育プログラムの開発を行うことであった。しかし、レビー小体型認知症サポートネットワーク富山(DLBSN富山)の協力を得ることができたため、次年度(平成30年度)の目的の一部を先取りした形で、先ず、認知症に関する専門職者と、認知症本人及び家族介護者を交えた研修会と交流会を開催し、そこから得た情報を教育プログラムの開発に役立てることとした。そのため、保健医療福祉の専門家からの意見や、家族介護者の意見等を深く知ることができ、教育プログラム内容の検討に役立つ情報を多々得ることができたが、プログラム開発までには至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度においては、平成30年度の計画の一部にまで踏み込んだために、予定していた計画がやや遅れてしまったが、その遅れは平成30年度で調整する。 ①平成29年度に実施したアンケート結果と、昨年度に成果報告した認知症の語りWebサイト活用状況結果に基づいて、多職種連携教育プログラムの内容を再検討する。 ②従来から蓄積してきた認知症の語り映像を、①に基づいて編集し、教育プログラムを開発する。 ③DLBSN富山の協力を得ながら、保健医療福祉の専門家や認知症当事者らを対象としたワークショップを開催し、開発したプログラムを実施する。 ④上記のワークショップ終了後に、教育プログラム内容に関する意見を収集・分析する。 ⑤上記の結果に基づいて、教育プログラムの修正や追加を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
教育プログラムの開発(映像の編集)が今年度に移動したために、平成29年度に購入予定であった研究専用のノート型コンピュータの購入と、Pocket wifiの購入が必要である。また、共同研究者である岐阜県立看護大学の小澤准教授との複数回の打合せが必要である(於:富山、岐阜)。
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