研究課題/領域番号 |
17K12394
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
牧野 真弓 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (50714169)
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研究分担者 |
加藤 真由美 金沢大学, 保健学系, 教授 (20293350)
竹内 登美子 富山県立大学, その他部局等, 教授 (40248860)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 尺度 / 転倒予防 / 看護実践 / 認知症高齢者 / 身体拘束 |
研究実績の概要 |
本研究は、一般病棟の看護師が、認知症高齢患者に対し、身体拘束を回避して転倒予防看護実践が行えているか自己評価する尺度を開発し、信頼性と妥当性の検討、因子分析を通じて、身体拘束を行わずに転倒予防を行うことができる看護師に必要な、個人が身に着けるべき鍵となる力(キー・コンピテンシ―)を解明することを最終目的とする。 一般病棟へ入院して身体疾患の治療を受ける認知症高齢患者は、妄想・幻覚・徘徊等の認知症の行動・心理症状(BPSD:Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)が生じることで転倒や骨折につながりやすく、身体拘束されやすい。認知症高齢患者へ一般病院での治療を進めながら、身体拘束を行うことなく入院中の転倒を予防することが看護師に求められており、治療を進めながら、どんな危険につながるかを予測して事前に安全な環境を整え、認知症高齢患者が言語化しづらい行動の理由を察知し、患者の意向を尊重して安全に行動できる支援を治療と並行して行うことで、転倒を予防していく必要がある。看護師が転倒予防看護実践を自己評価することは、身体拘束を回避した転倒予防ケアへの改善や、看護師の成長評価につながるため、尺度開発と、身体拘束を行わずに転倒予防を行う看護師に必要な力(キー・コンピテンシー)の解明は急務と考える。 本年度はまず、熟練看護師18名へのインタビュー結果と文献検討結果から、5つに力でキー・コンピテンシーが構成されることを確認し、概念枠組みの整理を行った。(転倒予防に焦点化した情報活用力、身体拘束を回避した転倒予防遂行力、認知症高齢患者が環境適応できるための関係形成力、チームでの転倒予防連携力、常に実践を振り返る内省力。)現在、概念枠組みを基に尺度の質問項目の作成し、研究分担者と内的妥当性の検討を行い、質問項目を絞り、精選させている段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画通り、実行できていることから、「おおむね順調に進展している」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度の予定は、1.質問紙調査票を完成させ、研究計画を作成し、倫理審査の申請を行う。2.プレテストは、熟練看護師30名程度を対象に実施する。3.本調査は郵送法で、北信越の100床以上の一般病院の認知症高齢患者が入院する一般病棟(小児科・産科・ICU・救急・精神科・回復期リハビリ・地域包括ケア病棟は除外)に勤務する看護師約500名に実施する計画である。 現在、内容的妥当性の検討より、質問紙原案の修正を行っている。今後、質問紙調査票を完成させ、倫理審査委員会へ書類を提出する。倫理審査委員会の承認が得られた後、熟練看護師に質問紙の表面的妥当性の検討(プレテスト)を依頼する。結果を分析し、質問紙調査票の検討修正を行い、北信越で500名の看護師を対象に、郵送法による質問紙調査(本調査)を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者の物品費は、概念枠組みを作る基礎資料と、尺度開発に関する図書、統計解析の図書の購入に当てる予定であったが、従来所持していた書籍や図書館の利用で現在の所カバーできており、予定通りに進められていることから予算を節約した。H30年度経費とあわせて使用することで、当初の予定どおりに調査を実施することが可能である。
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