研究課題/領域番号 |
17K12400
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研究機関 | 聖カタリナ大学 |
研究代表者 |
中村 五月 (形上五月) 聖カタリナ大学, 人間健康福祉学部, 准教授 (40549317)
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研究分担者 |
陶山 啓子 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (50214713)
久保田 正和 大阪医科薬科大学, 看護学部, 教授 (80452267)
田中 久美子 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (00342296)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 排尿誘導プログラム / 高齢者 / 排尿のコントロール感 / 機能性尿失禁 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、施設入所高齢者に対する効果的な排尿誘導プログラムを作成すること、さらに、作成した排尿誘導プログラムは、高齢者施設に入所している機能性尿失禁を有する高齢者に実施し有用性を検証することである。今年度の本研究の目的は、「機能性尿失禁を有する高齢者の排尿のコントロール感を高める排尿誘導プログラム(以下、排尿誘導プログラム)」の作成過程において、プログラム実施者である高齢者施設の看護職・介護職の意見に基づき排尿誘導プログラムを洗練化することであった。対象者は介護老人保健施設ならびに回復期リハビリテーション病棟に勤務する看護職・介護職30名であり、排尿誘導プログラムの意義や目的、排尿誘導プログラム・プログラムガイドについて調査し、記述的データを質的記述的に分析した。結果、機能性尿失禁を有する高齢者のコントロール感を高める排尿誘導プログラムの意義や目的について理解が得られた。排尿誘導プログラムにおいては、<機能性尿失禁を有する高齢者の包括基準・除外基準>、<認知機能の程度>、<身体機能の程度>、<下部尿路機能評価のための3日間のおむつチェック>、<おむつの種類>、<残尿測定・残尿量の把握>、<排尿誘導計画の立案>、<多職種との連携>、<職員の実施体制>、<排尿誘導プログラムの介入時間(夜間実施しない理由)>、<介入後の評価>において詳細で簡潔な提示を要望する意見があり、本研究結果を参考に排尿誘導プログラムを洗練化した。新型コロナウィルス感染症の感染拡大の影響で、いまだ高齢者施設での介入研究の実施が困難な状況があるが、引き続き本排尿誘導プログラムの効果検証のための準備を整える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の感染拡大の影響により、高齢者施設での介入研究の実施が困難であり、進捗状況は遅れている。高齢者施設では職員以外の面会数や面会時間も制限が続いており、研究計画を予定通りに実施することが非常に困難な状況にある。感染拡大状況が緩和された場合の研究協力に関しては内諾を得ていたが、今後のことは高齢者やスタッフへの負担も考慮して慎重に実施を検討する必要がある。本排尿誘導プログラムは、昨年度に引き続きケア実践家による意見から追加修正を行った。
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今後の研究の推進方策 |
本排尿誘導プログラムは、排尿ケア実践家による評価をもとに修正を重ね、高齢者施設での実践可能なプログラムに修正することができている。今後は、プログラムの効果検証を行えるよう、新型コロナウィルスの感染拡大状況と政府の動向などを確認しながら、実施のタイミングを検討したい。同じように、介入研究の実施が困難な研究者らがどのような対策をとっているのか情報収集も行い、対象者の安全を確保しながら研究を遂行するための方略を検討する必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は新型コロナウィルス感染症感染拡大が収束せず、高齢者施設での介入研究を実施することができなかった。科研の再延長を行い、2022年度も引き続き本排尿誘導プログラムの効果検証を行えるよう準備をすすめながら機会をうかがいたい。2022年度の研究計画を実施するための、物品費、人件費、研究助言を得るための旅費、研究成果を公表するために経費を使用させていただきたい。
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