研究課題/領域番号 |
17K12400
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
中村 五月 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (40549317)
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研究分担者 |
陶山 啓子 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (50214713)
久保田 正和 大阪医科薬科大学, 看護学部, 教授 (80452267)
田中 久美子 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (00342296)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 排尿誘導プログラム / 認知症高齢者 / 機能性尿失禁 / 高齢者施設 |
研究実績の概要 |
介護老人保健施設で活用するための排尿誘導プログラムの開発を行うため、介護老人保健施設における教育課程での学習経験と包括的排尿アセスメントとの関係についてさらなる分析を行った。高齢者施設に勤務する経験年数が5年以上の常勤看護職・介護職を対象に実施した自記式質問紙調査結果を用いた。調査内容は、対象者の属性、排尿ケアの学習経験、排尿誘導実施時の包括的排尿アセスメントであった。職種と学習経験との関係はχ2検定、学習経験や職種と包括的排尿アセスメントとの関係はMann-Whitney U検定を用い分析した。対象者は439名、看護職193名(44.0%)・介護職246名(56.0%)、教育課程で排尿アセスメントの学習経験があった者は190名(43.3%)であった。学習経験と排尿アセスメントとの関係では、【排尿ケアのゴールの明確化と計画・評価のチームでの話し合い】他6項目との関係において、全ての項目で学習経験がある者の方が排尿アセスメント得点は有意に高かった(p<0.05)。実践における職種と排尿アセスメントとの関係では6項目において有意差を認め、介護職の方が4項目において有意に得点が高かった(p<0.05)。教育課程での排尿アセスメントの学習経験を積み、各職種の学習経験に応じた支援により排尿アセスメント能力は向上する可能性がある。老健での排尿誘導実践は介護職が主に担っている現状があるが、【下部尿路症状に影響を与える要因の判断】と【下部尿路症状がある場合の残尿測定の実施】においては看護職の方が有意に得点が高かった。排尿アセスメントの中でも、排尿状態の正常と異常の判断や原因の分析は看護職が専門性を発揮すべきところであり、老健においてはこれら2項目において、特に看護職・介護職が連携をとると効果的な支援につながる可能性があると考えられた。
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