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2017 年度 実施状況報告書

糖尿病をもつ高齢者における睡眠と身体活動量に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K12402
研究機関九州大学

研究代表者

前野 里子  九州大学, 医学研究院, 助教 (70759406)

研究分担者 藤田 君支  九州大学, 医学研究院, 教授 (80315209)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード糖尿病高齢者 / 睡眠 / 身体活動量 / 血糖管理
研究実績の概要

糖尿病患者の運動療法は糖尿病合併症の発症と進展に効果があるが自己管理実行度は低い。特に糖尿病高齢者は加齢による身体的苦痛や併存疾患などにより身体活動量は減少している。また、糖尿病と睡眠との関連も注目されているが、糖尿病高齢者の睡眠を実測した研究はない。今後、さらに高齢化が進み、糖尿病高齢者が増えることが目前に迫っている。そこで本研究は糖尿病高齢者に対して、簡便な方法で効率よく身体活動量を増やすための支援方法を構築することを目指して取り組んでいる。研究の目的は糖尿病高齢者の身体活動および睡眠を実測し関連を確認した上で身体活動を増加させる介入として、睡眠衛生教育を実施しその効果を検証することである。
平成29年度は関連の研究の状況把握を行った。糖尿病患者の血糖コントロールと睡眠との関連を明らかにすることを目的に糖尿病患者の睡眠と血糖コントロールに関する研究のレビューを行った。その結果、国内研究がほとんどないことがわかった。睡眠については多くの研究で質問紙や聞き取りなどの方法で調査されており、睡眠を実測した研究は少なかった。睡眠と血糖コントロールとの関連においては、睡眠効率、睡眠の質の低さや睡眠時間とHbA1cとの間に負の相関を報告した研究が複数あった。また、7時間程度の睡眠群が短時間および長時間睡眠群と比較しHbA1c値が低いことを報告した研究も複数あった。これらの結果をふまえて、研究計画を修正することとなった。
次年度は研究レビューの結果をふまえて再度検討した身体活動量と睡眠覚醒リズムの実態調査を行う予定としている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成29年度は糖尿病高齢者の身体活動量と睡眠覚醒リズムの実態調査を行う予定であったが、研究計画を検討した結果、文献レビューをやり直す必要があるとした。関連研究の状況把握を行ったが、本研究に関連する研究は少なかった。特に国内の研究はほとんどなく、主に国外の研究をレビューすることになり時間を要した。また、レビューの結果より、研究計画を修正する必要性もあり研究計画修正のため計画が遅れている。

今後の研究の推進方策

糖尿病高齢者の身体活動量と睡眠覚醒リズムの実態調査を行う予定である。実測または尺度による調査結果を用いて、調査し身体活動量と睡眠覚醒リズムの関連を検討する。
調査内容は①身体活動量、②身体活動自己効力感、③睡眠覚醒リズム、④主観的睡眠感、⑤属性要因と疾患関連要因である。

次年度使用額が生じた理由

平成29年度に購入していない身体活動量計測機器と睡眠覚醒リズム計測機器の購入を予定している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 認知機能障害のある高齢者における夜間睡眠の実態とADLおよびBPSDとの関連2018

    • 著者名/発表者名
      前野里子、田渕康子、松永(明時)由理子、藤田君支
    • 雑誌名

      老年看護学会誌

      巻: 22-2 ページ: 31-39

    • 査読あり
  • [学会発表] 2型糖尿病をもつ高齢女性の身体活動量と身体活動自己管理行動との関連2017

    • 著者名/発表者名
      前野里子、藤田君支、酒井久美子
    • 学会等名
      日本老年看護学会学術集会
  • [学会発表] 2型糖尿病患者の日常生活における主観的身体活動量の妥当性 -実測値との比較-2017

    • 著者名/発表者名
      前野里子、田中るみ、木下由美子、藤田君支
    • 学会等名
      日本糖尿病教育・看護学会学術集会
  • [学会発表] 強度表示型活動量計の携帯による糖尿病患者の身体活動への効果の検討2017

    • 著者名/発表者名
      田中るみ、前野里子、藤田君支
    • 学会等名
      日本糖尿病教育・看護学会学術集会
  • [学会発表] 糖尿病患者の睡眠と血糖コントロールとの関連についての文献レビュー2017

    • 著者名/発表者名
      前野里子、藤田君支
    • 学会等名
      日本看護研究学会 九州・沖縄地方学会学術集会

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公開日: 2018-12-17  

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