本研究は糖尿病高齢者に対して、簡便な方法で効率よく身体活動量を増やすための支援方法を構築することを目指して取り組んだ。研究の目的は糖尿病高齢者の身体活動量を実測し主観的睡眠感との関連を確認した上で身体活動を増加させる介入として、睡眠衛生教育を実施しその効果を検証することであった。 しかし、感染状況の影響を受けたことにより、研究対象者の予定数確保ができなかった。追加調査も検討したが、結果的には断念した。 調査完了した81名のデータを使って分析を行った。結果としては、糖尿病高齢者の身体活動量には1日の歩数が1000歩未満や20000歩以上などかなり個人差があった。介入後1カ月では介入群の座位行動、低強度身体活動量、歩行時間などの身体活動量増加の傾向はあったが、3カ月後には介入前に近くなっていた。 睡眠については、PAQIの結果が10点以上である人が全体の15%であるなど、睡眠の問題を抱えている人が少なくないことがわかった。睡眠衛生教育の効果については、睡眠潜時において改善の傾向が伺えた。また、PAQI10点以上であった人のうち約半数のPSQI得点が改善した。
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