研究課題/領域番号 |
17K12406
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研究機関 | 札幌市立大学 |
研究代表者 |
川村 三希子 札幌市立大学, 看護学部, 教授 (10405673)
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研究分担者 |
小島 悦子 札幌保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (00326612)
貝谷 敏子 札幌市立大学, 看護学部, 准教授 (00381327)
山田 律子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (70285542)
檜山 明子 札幌市立大学, 看護学部, 講師 (70458149)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | がん看護 / 認知症 / 疼痛マネジメント |
研究実績の概要 |
2019年度は,認知症を伴う高齢がん患者のがんの痛みに対する看護ケアの知識・実践尺度の開発を行った.2018年度から引き続き質問紙調査のデータ回収を行い,その結果から,項目分析,妥当性・信頼性検討のための分析を行った.最終的に,889部送付し,375部の返送があった.返送率は42.2%,有効回答は349部(有効回答率93.1%)であった. 対象者の臨床看護経験年数の平均は39.4年(標準偏差9.5),がん患者ケア経験年数の平均は10.8年(標準偏差8.9),認知症患者ケア経験年数の平均は11.6年(平均年数7.4),病棟種別は一般病棟が265名(78.9%),療養型病棟が15名(4.3%),ホスピス・緩和ケア病棟が44名(12.6%)であった. 知識尺度の妥当性については,尺度の項目分析後による項目精選の後,高得点群・低得点群間の得点傾向を確認した.その結果,低得点群はがん患者ケア経験年数の平均が8.9年,高得点群はがん患者ケア経験年数の平均が12.0年であり,差が認められた(P=0.002).また,高得点群はホスピス・緩和ケア病棟に多く,低得点群は療養型病棟に多かった(P=0.001).態度尺度は項目分析により1項目を除外し,探索的因子分析により構成概念妥当性が確保されていることを確認した.また併存依存性を確認するための外的尺度との相関係数は0.62であった.以上から,知識尺度は27項目(平均17.1,標準偏差3.4),態度尺度は34項目(平均130.7,標準偏差17.3)とした.知識尺度,態度尺度ともに妥当性を確保していることが確認できた.また,再テスト(n=118)による級内相関係数は,知識尺度0.72,態度尺度0.71であり,信頼性を確保していることを示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
分析に必要な質問紙調査の回収数を満たしていなかったために質問紙調査の期間を延長したこと、さらに尺度の信頼性・妥当性の精度を高めるために研究者間での検討に時間を要したため、今年度予定していた教育プログラムの作成と教育プログラムの実施(パイロットスタディ)に至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
教育プログラム作成とパイロットスタディの実施に向けて計画的に進められるよう準備中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
尺度開発のための調査研究が遅れ、今年度予定していたパイロットスタディが実施できなかったため
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