研究課題/領域番号 |
17K12406
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研究機関 | 札幌市立大学 |
研究代表者 |
川村 三希子 札幌市立大学, 看護学部, 教授 (10405673)
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研究分担者 |
小島 悦子 札幌保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (00326612)
貝谷 敏子 札幌市立大学, 看護学部, 教授 (00381327)
山田 律子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (70285542)
檜山 明子 札幌市立大学, 看護学部, 准教授 (70458149)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 認知症 / 高齢者 / 疼痛マネジメント / シミュレーション教育 |
研究実績の概要 |
認知症高齢がん患者の疼痛マネジメントにおける看護実践自己評価尺度(PMSOP-CAD)を開発し信頼性と妥当性を確認した。 また、認知症高齢がん患者の疼痛マネジメントの質向上を目的とした講義とシミュレーション学習で構成された教育プログラムを開発しクリニカルラダーⅡ以上の看護師20名を対象とし実施した。評価指標は、教育介入前と直後・3カ月後に、認知症高齢がん患者の疼痛マネジメントに対する知識テストおよびPMSOP-CAD(檜山,川村,小島,山田,2022) を用いて評価した。さらに、シミュレーション学習のシナリオの内容やグループ討議の内容に対して臨床への活用可能性について参加した20名を対象に、フォーカスグループインタビューを実施し意見を得た。シナリオがリアルで臨床場面に即していたため自分ごととして考えることができた、多方面からのアセスメントの視点を得ることで自分に不足している視点に気づきアセスメントの幅が広がったなどの意見を得た。 評価指標を用いた前後調査については、有効回答17名を分析対象とした。対象者は全員女性、平均年齢は37.4±9.0歳、がん看護ケア経験は14.7±8.6年、認知症ケア経験は9.0±7.3年であった。分析の結果、知識の正答率は介入前74.4%、直後88.1%、3カ月後86.4%であり介入前と3か月後で有意差を認めた。また、PMSOP-CADの合計得点は、介入前121.6点、3カ月後129.4点とやや上昇したが有意差は認めなかった。認知症高齢がん患者の疼痛マネジメントに対する知識の正答率は、介入3カ月後にやや上昇して知識の定着が認められた。一方、実践の自己評価については有意な向上は認められなかった。受けた研修を実践で活用するには6か月の期間が必要と回答した者が2割いたため、6か月後にも追跡が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍ではあったが、感染対策を十分い行い教育プログラムを実施できた。オンラインFormで継続評価を実施中である。
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今後の研究の推進方策 |
6か月後調査を実施し、臨床における活用可能性を分析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染症の影響にて教育プログラムの実施時期が遅れたため、その後の継続評価の時期が次年度にずれ込んでいる。次年度は実施後の6か月評価を実施し、知識と実践の変化を評価する。また、RWLCD:Randomized Waiting List Control Designを計画し、教育プログラムの効果を検証する予定である。
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