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2022 年度 実績報告書

認知症の認識とケアに関する研究―EPAで来日する看護師の教育と支援に向けて―

研究課題

研究課題/領域番号 17K12410
研究機関神戸市看護大学

研究代表者

植本 雅治  神戸市看護大学, 看護学部, 名誉教授 (90176644)

研究分担者 三浦 藍  四條畷学園大学, 看護学部, 准教授 (10438252)
平野 裕子 (小原裕子)  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (50294989)
瀧尻 明子  島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 講師 (70382249) [辞退]
野上 恵美  武庫川女子大学, 文学部, 講師 (90782037)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワード認知症 / ベトナム / 老年看護 / 外国人看護師
研究実績の概要

看護師を対象とした調査からは、以下のことが示された。ベトナムの看護師の多くは認知症の知識は有しているものの、認知症者を看護する経験は乏しく、具体的な看護や支援方法について考える機会は少ないと考えられる。認知症者の日常生活支援は看護師の仕事ではなく、家族の役割と考えられている。看護師から見たベトナムの一般の人々は、物忘れや徘徊等を病気とは捉えず加齢性変化として捉えている。また、認知症者は暴力的な行動がない限り、家族や周囲の人々に支えられながら地域で生活しており、差別にさらされることはない。
患者家族を対象とした調査からも、以下のことが示された。認知症の中核症状(記憶障害・見当識障害など)は老化現象の一つとして捉えられていることが多い。暴力や妄想的な言動が精神科受診のきっかけとなることもあるが、概ね家で、家族親族、が面倒を見ており、近隣住民の配慮もある。
また、大学教員の聞き取りからは、ベトナムの看護師が日本で勤める際、気質や気候の違い、日常生活や勤務上のコミュニケーションのしづらさ、などに困難を感じていることが示唆された。
以上、ベトナムでは「認知症」概念の医療化は徐々に進みつつあるものの、ケアも親族も含めた大家族により、近隣共同体の支援を受け行われている。一方、ベトナム社会は、平均寿命の高齢化に伴う「高齢者の増加」、産業の近代化に伴う「核家族化」などの構造変革が急速に進んでおり、現在のようなゆるやかな管理・保護体制は限界を迎えつつある。
今後、どのように、社会における認知症概念が変化していくのか、疾患としての認識が高まり、医療化することによって管理化が進むのか、あるいは、公共の活動や施設を拡充することで、家族、親族や近隣共同体が支援するゆるやかなかかわりを維持できるのか、また、それに伴い看護師の認知症の認識や活動はどう変化するのか、今後も調査を続ける必要がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 在日ベトナム人高齢者の現状: 神戸のベトナム人コミュニティを事例に2022

    • 著者名/発表者名
      野上恵美
    • 学会等名
      ワークショップ「東アジアと東南アジアにおける 高齢者の居住形態の選択」

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公開日: 2023-12-25  

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